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格差問題、主要国と比べて日本は? ジニ係数で比べると

末崎毅

朝日 2015年3月21日

 

 格差の問題は、海外でも話題になっている。34カ国が加盟する経済協力開発機構OECD)は昨年12月、主要国で格差が広がっていることを指摘した。

 

 

 OECDによると、人口の上位10%の富裕層の所得が、下位10%の貧困層の所得の9・5倍に達した。企業経営者ら「スーパーリッチ」の所得が増えたためだ。1980年代には約7倍だったが、「貧富の差」は広がっている。

 

 格差を表す指標とされるジニ係数で80年代と直近のデータを比較すると、過去分を入手できる21カ国のうち16カ国で格差が拡大している。係数が1なら格差は大きく、0に近いほど平等なことを示す指標で、格差が小さくなったのはギリシャとトルコだけだった。

 OECDはこうした格差が「経済成長率を押しさげる」と指摘する。親の所得が低くて教育の機会に恵まれない子どもが増え、労働の生産性などが上がりにくいためだという。

 米国では連邦準備制度理事会FRB)が「貧富の差が広がっている」とする調査を公表した。FRBは米国の家計が2010年からの3年間でどう変わったかを調査。その結果、上位1割の平均所得は10%増加したが、下位2割の所得は8%減った。上位3%が全体の所得にしめる割合は、10年の27・7%から、13年は30・5%に上がった。

 オバマ大統領は今年1月、格差拡大への不満が広がっていることを受け、富裕層がもつ株の売却益への課税を強めることを表明し、米議会で多数をにぎる野党の共和党にも協力を求めた。だが、共和党増税に反対しており、成立するかどうかは不透明だ。

 

 日本はどうだろうか。ジニ係数を主要国と比べると、OECDの平均値を上回った。米国や英国よりは低いが、ドイツフランスより高い水準だ。所得が真ん中の人を基準に貧しい層の割合を示す「相対的貧困率」では、OECD平均を上回り、全体でも6番目に高かった。貧困率は米国より低いが、英国やフランスドイツよりは高い。

 日本は「子どもの貧困率」が6人に1人で、OECD平均を上回る。子どもがいる現役世帯のうち、大人が1人の世帯の貧困率は5割を超え、OECDの中で最も高い水準だ。安倍晋三首相は2月の国会で「ひとり親の家庭にスポットを当てながら、自立できるように応援をしていきたい」と答弁した。具体的な政策論議はこれからだ。(末崎毅)