ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

安保法案反対 1

 

国会内外で素晴らしい戦いが続いている。国会議員も国会の外で叫んでいる人も頑張っている。

安倍政権強行採決に抵抗している。

民主党政権を批判していた人は、どの政党がましで、どの政党がだめかを学習しているでしょう。野党議員、がんばっています。多くの国民も。それは素晴らしいことです。たとえ法案が強行採決されて成立したとしても。

 

安保法案は戦争法案であり、法律には歯止めがなく、しかもあいまいで、時の政治家によって世界中どこでもアメリカといっしょに戦争できるようにするものだ。総合的判断としか言わない、無責任な、説明の法律。後方支援などといっても戦争の一部でいつでも狙われ、死ぬ危険がある。

朝日新聞のまとめ記事には主要論点が整理されているので、改めて記録のために残しておこう。

ポイント

  • 日本人が乗っている船を今まで助けられなかったが今回の法律ではじめて助けることができるというのはうその説明だった。
  • 中東・ホルムズ海峡での機雷除去が日本の存立危機というのは無理。
  • 「自国を守るための集団的自衛権」という政府の理屈に無理がある 

 

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論点検証 安保国会:1)集団的自衛権、広がる疑問

2015年9月4日05時00分

政府が示した邦人輸送中の米艦防護/中東・ホルムズ海峡での機雷除去

 

新たな安全保障関連法案について、与党は今月中旬にも参院での採決をめざす方針だ。だが、参院の審議では、法案の必要性や憲法との関わりなどについて、安倍晋三首相ら政府の答弁が衆院段階と食い違う例も続出。疑問はむしろ広がっている。これまでの質疑の論点を5回にわたり検証する。初回は、法案の根幹となる集団的自衛権の行使をめぐる議論を考える。

 

 ■米艦防護 首相・防衛相、食い違う答弁

 集団的自衛権の行使は、参院審議でも主要な論点となった。特に目立ったのは、安倍首相が挙げた行使の代表的な事例で、政府側の説明が従来と異なったり、食い違ったりするケースが相次いだことだ。

 

 首相は昨年7月、集団的自衛権の行使を認める閣議決定後の会見で、日本人が乗る米国の輸送艦が他国から攻撃を受けるパネルを掲げ、こう訴えた。「我が国への攻撃ではないが、それでも日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守る。それをできるようにするのが今回の閣議決定だ」

 

 野党は今年8月26日の参院特別委で「退避する邦人が米軍艦に乗っていることのどこが『存立危機』なのか。我が国の存立が根底から覆されるのか」(民主・大野元裕氏)と指摘。行使の条件となる武力行使の新3要件を満たさないのではないかとただした。

 この際の中谷元防衛相の答弁は、首相の説明とは食い違った。「邦人が乗っているかは判断の要素の一つではあるが、絶対的なものではない」とし、退避する日本人を守るというだけでは集団的自衛権の行使ができないことを認めた。

 

 首相が示したパネルについても、中谷氏は「存立危機事態と認定されれば可能になるという説明のために使われた」と答弁。日本人保護とは別の理由で、集団的自衛権が使える存立危機事態と認定し、米艦を守ると説明した。だが、何が認定の理由になるかは「総合的に判断する」と述べるだけで、明言しなかった。

 首相が集団的自衛権による米艦防護の具体例として挙げた、朝鮮半島有事でミサイル防衛にあたる米艦を守るケースについても、政府答弁は揺れ動いた。

 

 野党は8月4日の特別委質疑で、「米イージス艦が日本に助けてもらわなければならないような、少ない船団(艦隊)で行動することはありえない」(民主・小川勝也氏)と質問。米国は世界最強の軍事力を持ち、艦隊を組んで行動するため、自衛隊が守る必要はないのではないかと指摘した。

 

 これに対し首相は「(米艦は)1隻単独で来ることはない。米側は自己完結型だから、できる限り防備を固めてくる」と答え、単独で行動しないことを認めた。しかし、翌5日に中谷氏は「(米イージス艦が)警戒監視等で単独で航行することもある。防護を我が国に依頼するケースも考えられる」と首相答弁を修正した。

 このため野党側は、首相が示した二つの米艦防護の事例は、法律上の根拠がないと主張している。

 

 ■機雷除去 ホルムズ、薄れる現実味

 政府が外国の領域での集団的自衛権行使の唯一の具体例とした、中東・ホルムズ海峡での機雷除去の必要性についても、疑問が広がっている。

 政府は中東で紛争が起き、輸入原油の約8割が通るホルムズ海峡に機雷がまかれ、タンカーが通れなくなれば、「我が国の存立が脅かされる」存立危機事態に該当すると主張。首相は衆院審議で、同海峡が封鎖される可能性を問われ「起こりうるかもしれない。そういう時に備えて法整備を進めていくことは当然」などと繰り返し訴えた。

 

 政府はこの事例を示す際、1980年代のイラン・イラク戦争でイランがペルシャ湾に機雷をまいた例や、イランの強硬派政権の動きを念頭に置いていた。だが、2013年に穏健派のロハニ政権が誕生したことで情勢は変化。イランの核開発問題も今夏に米欧などとの合意が成立した。駐日イラン大使は7月23日の会見で、イランがホルムズ海峡に機雷敷設する可能性について「全く根拠のないこと」と否定した。

 

 野党は、7月27日の参院本会議で「イランの核問題に前進が見られた状況を踏まえれば、ホルムズ海峡の事例は立法事実たり得ない」(民主・北沢俊美氏)と指摘。法律を作る理由がなくなったと主張した。

 

 これに対し首相は「そもそも特定の国がホルムズ海峡に機雷を敷設することを想定しているわけではない」とし、「中東の安全保障環境が不透明性を増す中で、あらゆる事態に万全の備えを整備していくことが重要」と必要性を訴えた。

 

 野党は、ホルムズ海峡を通らずに原油を運べるパイプラインの存在も指摘し、法律の必要性をただした。これについて宮沢洋一経済産業相は8月3日の参院特別委で「2本のパイプラインがある。どれほどが日本の輸入に寄与できるかは判明していない」と述べ、迂回(うかい)路の存在は認めた。

 

 ホルムズ海峡での機雷除去の「現実味」が薄れるなか、首相は衆院審議では可能性を否定した南シナ海で機雷除去を行う可能性を示唆するようになった。

 首相は7月29日の参院特別委で、南シナ海で中国が機雷を敷設する想定を問われ、こう述べた。「(衆院審議で)南シナ海は迂回ルートがあるので想定しにくいという趣旨の答弁をした。基本はもちろん(武力行使の新)3要件にあてはまれば対応していく」

 (山田明宏)

 

 ■<視点>政府の理屈、無理がある

 首相の答弁を、安保法案を担当する防衛相がひっくり返す。こうした迷走が続いているのは、「自国を守るための集団的自衛権」という政府の理屈に無理があるからだ

 

国連憲章で認められた集団的自衛権の本質は、攻撃を受けた他国を守ることにある。

 首相は「本人を乗せた米国の船を守る」と訴えたが、この例で集団的自衛権を使えるかどうかと、日本人の乗船は直接関わりはない。海外での機雷除去も、日本が直接攻撃を受けていないのに「存立危機」として他国での戦争に首を突っ込むことにほかならない。

 答弁が上書きされるたび、法案の問題点が浮き彫りになってきている。

 (山田明宏)

 

 ◆キーワード

 <武力行使の新3要件> 安全保障関連法案に盛り込まれた集団的自衛権を使う際の前提になる条件。(1)密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある(存立危機事態)(2)我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどまる――の3点からなる。

 ◇次回は、安保法案が合憲か違憲かをめぐる議論を取り上げます。