全国初となる大阪市のヘイトスピーチ対策条例が施行されたことを受け、在日コリアンらの団体がヘイトスピーチと疑われるネット上の動画や文章について市に審査を求めました。
大阪市でヘイトスピーチ対策条例が施行された1日、在日コリアンらの団体が市役所を訪れ、ネット上に投稿されているヘイトスピーチと疑われる動画や文章など12件について大阪市に審査を求めました。
ネットからこうした差別映像が減ればいいのになと思います。
条例では弁護士などからなる審査会と市長がヘイトスピーチと認定すれば市がその団体名や氏名を市のホームページで公表するとしています。ちゃんとするでしょうか?
ヘイトスピーチを許さない 大阪の会 宋貞智代表は、 「ヘイトスピーチいらない、聞きたくない。とにかくやめてほしい。ヘイトスピーチのない大阪をつくりたい」といっていました。
また団体は、ヘイトスピーチを行う可能性のある団体に対して、市の施設の使用を制限できるよう条例に追加するべきだと市に要望書を提出しました。
これは当然ですね。
これに関連して、マスコミも、今までヘイトに甘すぎたし、自らヘイトの一部を担っていました。私の拙著でも以下のように、書いておきました。
○北朝鮮批判報道
日本での2000年以降の北朝鮮報道の量は異常である。連日ワイドショーやニュースで北朝鮮のことを報じてきた。世界にはもっと多様な国や多くの問題や事件があり、報道すべきことは多いのに、世界の出来事や問題にはほとんど無関心で、日本のメディアはもっぱら国内問題と米国視点の情報系とナショナリズムをあおる北朝鮮、韓国、中国関係の報道に終始している。日本のメディアは、偏りすぎており、しかもそのことに無批判的で、国民もそのことに気付いていなかった。異常としか言いようがない。
私は北朝鮮の拉致を肯定するものではないが、日本の右翼勢力がこの問題を政治利用している点には反対だ。緊張をあおり、日本国民の目をそこにばかりむけさせ、中国、韓国と並んでアジアの危機だから軍事力を高めねばならない(そのために米国を引きずり込もうとして集団的自衛権)というように持っていく材料とされている。小泉政権の時に「拉致被害者」を日本に帰国させたときに、安倍らが北朝鮮との約束を反故にして『北朝鮮に帰国させなかった』という事実が、今のこう着状態を招いている一因だということをメディアはもっと指摘すべきだが、そこはあえて隠しているのはあまりに偏った報道だと言える。
安倍らが民主党を批判して、自分たちがが政権をとれば拉致問題は解決するかのように言っていたが何も進展していないのは、安倍らの緊張激化策の結果であることを指摘すべきだ。結果として埒被害者家族の思いは利用されているだけで、解決を遠のかせている。
「在日特権を許さない会」(在特会)といった極右グループが放任されていることも日本社会の大問題である。この種のグループが呼びかけた、外国人が多く暮らす東京・新大久保及び大阪・鶴橋などでのデモでは、「良い朝鮮人も、悪い朝鮮人も、どちらも殺せ」「共産党員 全員死滅」「韓国の4大悪 不良食品、性暴力、家庭内暴力(DV)、学校暴力 こんな国行きたくない」などというプラカードが掲げられ、「殺せ、殺せ朝鮮人」「ゴキブリ」「日本からたたき出せ」「東京湾に沈めろ」「ガス室に朝鮮人、韓国人を叩き込め」、「鶴橋大虐殺を実行しますよ」といった主張が飛び交っていた。
国際的には、人種や国籍、ジェンダーなど特定の属性を有する集団をおとしめたり、差別や暴力行為をあおったりする言動をヘイトスピーチ(憎悪表現)と呼び、法的にも禁止されている場合が多い。ネオナチ運動に対処するため1960年にドイツで制定された法では、デモや集会、ネットの書き込みで特定の集団を侮辱する行為を「民衆扇動罪」に定め、5年以下の禁錮刑を科している。イギリスの公共秩序法も同様の行為に7年の懲役刑を科しているし、国連の人種差別撤廃条約(69年発効、日本は95年に加入)では「人種差別の扇動に対しては法律で処罰すべきだ」と宣言している。
しかし日本では規制がなく、表現の自由の名のもとに放置され、名誉毀損や侮辱、脅迫罪は不特定の「集団」に対する言動には適用できないとされたままで、人権後進国となっている。
その後2016年にようやくヘイトスピーチの規制が始まった