「女子力」 問題
おしゃれとか、家事をうまくやるとか、気配りできるとか、そんなときに「女子力高い」と、男子をほめることに使う場も増えています。
そもそも性は多様性です。「男女二分法で本質主義的に男女の特性をとらえる」のが完全に間違いなので、男性が従来の女性のしてきた掃除や洗濯や料理などをちゃんとするのはいいこと思うし、シングル単位的に見て当然と思うけれど、
そもそも、そういうのを「女子力」と呼ぶところに、古いジェンダー秩序の名残があります。
子どもを育てる・愛するのを母性と呼ぶのが間違いであるのと同じく、正しくは《女子力》ではないです。女子力という言葉の、古いジェンダー秩序従属意識を自覚しないとだめでしょう。
これはジェンダー論の基礎です。
「女子力」だけがあって「男子力」はないのもおかしなことで、女性に男子力があっても多くは褒められない。もちろん、古いジェンダー意識の人は男性の女子力高いことも批判するでしょう。昔から「女みたいなことするな、なさけない」と批判されてきました。
今でも女性に、料理ができない、がさつだと「男みたいじゃダメ!」「もっと女性らしくしなさい」と言われるのと同じ。
なお、どんな言葉も意味は変化するし、揶揄に使うとか、文脈によって変わってきます。言い方にもよります。女子力高いねーというのは、「ほめ言葉」にもなれば「批判的な言葉」にもなります。だから、少なくとも今私は女性に対して、女子力高いねーというような言い方では褒めません。
ほめるってのも、文脈によります。