ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

ウクライナの非武装主義者ユーリ・シェリアジェンコ氏からの情報

 

 

以下の「ウクライナの非武装主義者」の情報をしたので、紹介します。戦争をエスカレーションさせるなという、この当たり前のスタンスが今までほとんど多くのメディアで取り上げられないことこそ問題です。私がこれまで指摘してきたように「ウクライナを一色」と見なして、ウクライナは国を守るために戦っている、抵抗権、民族自決権があるから「戦うのでなく逃げたり非暴力の道を探る」など絵空事だという決めつけの問題性です。当事者が決めたらいいので、外部が口を出すべきでないといってウクライナの武力での戦いを支持・応援することの問題性です。

ウクライナには非暴力的な生き方を追求する人たちがたくさんいます。」「ウクライナ内でもロシア内でも、兵役に対して良心的拒否の人がいる」「ヨーロッパ各国での非暴力主義者の活動」「軍隊経験のない18歳から60歳までの男性のウクライナ出国を許可すると題した請願署名に59000筆が集まった」という情報に希望を持ちました。そこに希望があるのです。

日頃、野党側左派側にいて憲法擁護の側だった人達の中でも、日本国憲法の精神をこうしたいざというときに、忘れてしまう人が多いことが分かりました。付け焼刃は簡単に折れます。

911のときに、ブッシュはテロと戦うといって報復主義的戦争をその後し続けました。それで人気が高まった事実があり、危機的状況に対し報復主義で戦うリーダーを好む人はいます。しかし、911の遺族の中には、そうした報復主義は解決にならないと言って、「敵」を「憎まず、報復せず、許す」という非暴力の方を選んだ人がいました。フランスなどでのテロに対しても同じです。

「目には目を」という考えで死刑存続の国もありますが、世界的には死刑は人権意識にもとるということで、廃止に動いています。通じない人もいますが、それでも、こちらは非暴力で行くというスタンスがあるのです。

「国際政治の現実は、軍事力で抑えないといけない」というのはあまりに単純な頭の思考です。テレビには防衛省関係の研究機関の人物が、「今はロシアが退却すればいいのです」「ロシアを軍事的に排除するしかない」と単純な武力路線を語っています。それに誰も批判しない状況。憲法など知らない、理解できない人ばかりがテレビに出ています。

日本も防衛力を高め、先制攻撃もできるようにしよう、核武装もしよう、憲法も変えて軍事力を持って戦争できる国にしようという人が増えています。

****

憲法「第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」というのをどう解釈するかはもちろん諸説あります。

 しかし私は「戦力の不保持」と「交戦権の否認」はすなおに考えて、非暴力主義で行くことを示していると思います。政府は、自衛権まで否定するものではないという見解を示していて、自衛隊は「我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織であり、憲法に違反するものではない」としています。これに対し、多くの憲法学者は、「憲法を文字通りに読めば、自衛隊違憲としか言えない」という主張をしています。

 

「交戦権を認めない」というのは、「こちらから仕掛ける他国侵略や先制攻撃を認めない」というのと違って、攻撃された時に軍事的に対抗すること自体を否定すると考えるべきでしょう。だから「戦力」を持たないといっているのです。これは「やられたらやりかえす」という思考を否定していると考えるのが素直な見方でしょう。

とすればなんと今の日本の政治家やメディア人、そして一般国民は、こうした平和主義・非暴力路線を選んだ日本国憲法をないがしろにしていることかと思います。体に染みついていないのです。過去の戦争でのあの悲惨な体験から生み出された崇高な姿勢を理解できない、低下した精神レベルとなっています。

それはロシア指導部やウクライナ指導部や中国・米国指導部と同じく、軍事的思考にとらわれています。それは以下の論考でも示されているように、右翼的民族主義者や戦争で儲けている軍需企業と同じ思考とも言えます。

 

そうした中で、非暴力思考の人びとの言葉や活動を聞くのは希望です。ウクライナ人全体・全員が闘いを選んでいるというのはうそです。日本が自民党一色でないのと同じです。主流秩序に従属するだけではないという視点をいつも保持することが大事と思います。少数派・野党・反体制派がいることに目を向けないのは主流秩序的な思考的怠慢です。

ロシア侵攻・ウクライナ戦争から、私たちがすべきことは何か。ウクライナ軍の戦争を軍事的経済的に応援して戦争をエスカレーションさせることでなく、非暴力路線を訴え、戦争停止を求めることです。避難民を支援することです。ロシアやウクライナの脱走兵に連帯して良心的兵役拒否を支援することです。自衛隊を災害救助隊にし、日米軍事同盟を破棄し、NOTOも解体し、戦争の下部構造を変えていくことこそすべきことです。ウィル・スミスのように、怒りがあれば暴力を選んでいいという思考をまずは自分が身近なところから変えることがすべきことです。日本政府の軍事大国化・戦争志向を批判することがすべきことです。軍事予算を削減し、集団安保など安倍政権が進めた軍事化制度を修正させるべきです。ナショナリズムの風潮を批判し、近隣諸国と平和共存する努力をしていくことです。慰安婦問題などでひどいことをするのでなく誠実に謝罪し責任を取って連帯していくことです。自民党憲法改悪を許さないことです。

それらが、ロシア・ウクライナ戦争から導かれる非暴力主義者の結論です。

******

回ってきた情報

ウクライナのユーリー・シェリジェンコ氏:すべての側が戦争を煽ってきた。包括的な和平交渉だけが戦争を終わらせることができる

(2022年3月22日付デモクラシー・ナウ!)

http://unitingforpeace.seesaa.net/article/486314475.html

 

シェリジェンコ氏はウクライナ戦争を西側と東側の対立と見なした上で、ロシアや中国に対する憎悪を煽るのではなく、包括的な和平交渉を戦争当局だけでなく市民も追求するよう求めています。米国からロシア、米国から中国への脅しの政治を止め、あらゆる覇権を排除して調和を確立するための交渉をバイデン、ゼレンスキー、プーチン習近平に求めています。ドンバス内戦に先立つNATOの拡大、暴力的なマイダン革命、ミンスク合意違反、ウクライナの軍事的対応、好戦的なウクライナ市民社会、戦争を煽る軍需企業をも当然のように批判しています。またコードピンクの呼びかけで4月28日に行う国際デモ「ストップ・ロッキード・マーティン」やNATO反対連合による6月の反NATO首脳会議デモ、「平和のためのヨーロッパ」キャンペーンが非暴力平和キャラバンを紛争地に派遣して平和維持に当たる活動、兵役拒否支援の請願署名などを紹介しています。

 

日本のウクライナ反戦運動がくれぐれも米国によるロシア崩壊、対中国戦争の準備に荷担しないようにしたいものです。

 

 

キエフ在住のウクライナ人平和主義者:すべての側が戦争を煽ってきた。包括的な和平交渉だけが戦争を終わらせることができる

(2022年3月22日付デモクラシー・ナウ!)

Ukrainian Pacifist in Kyiv: All Sides Have Fueled the War. Only Comprehensive Peace Talks Can End It | Democracy Now!

https://www.democracynow.org/2022/3/22/yurii_sheliazhenko_russian_invasion_week_4

 

ウクライナのケルソン市では月曜日、非暴力の反戦抗議者数百人が集まり、ロシアの占領に反対するとともに、非自発的兵役に異議を唱えました。ロシア軍はスタングレネードや機関銃で群衆を解散させました。一方、バイデン大統領はブリュッセルで今週開催されるNATO首脳会議に向けて出発する予定で、西側同盟はロシアが核兵器やその他の大量破壊兵器の使用に転じた場合の対応について協議する準備を進めています。

キエフ在住のウクライナ人平和活動家ユーリー・シェリジェンコは、戦争の両当事者が歩み寄って事態を緩和させなければならないとして、「私たちに必要なのは、さらなる武器やさらなる制裁、ロシアや中国に対するさらなる憎悪による紛争の激化ではなく、もちろんその代わりに、包括的な和平交渉が必要なのです」と語っています。

 

エイミー・グッドマン:こちらはデモクラシー・ナウ!です。フアン・ゴンサレスとお送りします。

 

今日の番組はウクライナキエフで終わります。キエフから、ユーリー・シェリジェンコに参加してもらいました。彼はウクライナ平和主義者運動の事務局長であり、欧州良心的兵役拒否協会の理事でもあります。また、ワールド・ビヨンド・ウォーの理事、ウクライナキエフにあるクロック大学の研究員も務めています。ロシア軍は占領している南ウクライナのケルソン市で、スタングレネードと機関銃を使用して、ロシアの占領に抗議すべく月曜日に集まった数百人の群衆を解散させましたが*、ユーリーはケルソン市からの報告を入念にフォローしています。

 

*訳者注記

Russian troops use stun grenades and gunfire to clear Ukrainian protest in Kherson - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=QqWgkdRaYJg

 

ユーリー、デモクラシー・ナウ!にまたようこそ。あなたはまだキエフにいますね。今、何が起きているのか、何を求めているのか、お話していただけますか。特に興味があるのは、ロシアが都市を破壊できないように、飛行禁止区域を求める声でほとんど一色のようですが、西側諸国は飛行禁止区域の設定を強制すること、つまりロシアの飛行機を撃ち落とすことが、核戦争につながることを深く懸念しています。これに対するあなたの立場を教えてください。

 

ユーリー・シェリジェンコ:エイミー、ありがとうございます。平和を愛する世界中のすべての皆さん、こんにちは。

 

もちろん、飛行禁止区域は現在の危機に対する軍事的な対応です。そして、私たちに必要なのは、さらなる武器やさらなる制裁、ロシアや中国に対するさらなる憎悪による紛争の激化ではなく、もちろんその代わりに、包括的な和平交渉が必要なのです。そして、米国はこの紛争に無関係な当事者ではありません。それどころか、この紛争はウクライナを超えたところにあります。西側と東側の対立と、ロシアとウクライナの対立という二面性があるのです。NATOの拡大が先にあって、2014年にキエフで西側がスポンサーとなったウクライナ民族主義者による暴力的な権力奪取が起こり、同じ年にクリミアとドンバスでロシアの民族主義者とロシア軍による暴力的な権力奪取が起こったのです。

つまり、2014年というのは、もちろん、この暴力的な紛争が、最初から、政府と分離主義者の間で始まった年だったのです。そして、大規模な戦闘の後、和平協定のミンスク合意が締結されましたが、双方がこれを順守せず、双方での停戦違反に関するOSCEの客観的な報告書があるわけです。

これらの停戦違反は、ロシアがウクライナに不法に侵攻する前からエスカレートしていました。そもそもの問題は、国連安全保障理事会が国際的に承認した平和的解決策が、当時は順守されなかったことです。そして今、バイデン、ゼレンスキー、プーチン習近平が一つの交渉のテーブルにつき、この世界をより良く変える方法、あらゆる覇権を排除し、調和を確立する方法を話し合う代わりに、米国からロシア、米国から中国への脅しの政治、戦争に夢中のウクライナ市民社会による飛行禁止区域の設置という要求を目の当たりにしているのです。

 

ところで、ウクライナにおけるロシア人に対する憎しみはすごいもので、この憎しみは、戦争屋の政権だけでなく、ロシアの人々に対しても、世界中に広がっています。しかし、私たちはロシアの人々が、その多くがこの戦争に反対していることを目の当たりにしています。そして、私は、戦争や戦争屋に非暴力で抵抗するすべての勇気ある人々、ロシアによる占領に抗議したウクライナのケルソン市の人々に感謝します。そして、侵略軍であるロシア軍隊は、これらの人々に向かって銃を撃ちました。残念なことです。

 

ご承知の通り、ウクライナには非暴力的な生き方を追求する人たちがたくさんいます。ロシアの侵略前に代替任務に就いたわが国の良心的兵役拒否者の数は1659人でした。この数字は、欧州良心的兵役拒否協会(EBCO)が発表した良心的兵役拒否に関する2021年年次報告書( https://ebco-beoc.org/sites/ebco-beoc.org/files/attachments/2022-03-21-EBCO_Annual_Report_2021_0.pdf )からのものです。

この報告書は、2021年にウクライナ、ロシア、ロシア占領下のクリミアとドンバス、トルコ、トルコ占領下のキプロス北部、アゼルバイジャンアルメニアベラルーシなど幾つかの国で、多くの良心的兵役拒否者たちにとってヨーロッパが安全な場所ではなかったと結論付けています。

良心的兵役拒否者は、訴追、逮捕、軍事法廷での裁判、投獄、罰金、脅迫、攻撃、死の脅し、差別に直面しました。ウクライナでは、軍隊に対する批判や良心的兵役拒否の主張は反逆罪とみなされ、処罰されます。ロシアでは、反戦集会で何千人もの人々が逮捕され、罰金を課されました。

 

EBCOの年次報告書から、「ロシアにおける良心的兵役拒否者運動」の声明文を引用したいと思います。「ウクライナで起きていることは、ロシアが引き起こした戦争である。良心的兵役拒否者運動は、ロシアの軍事侵攻を非難する。そして、ロシアに戦争を止めるよう要求する。良心的兵役拒否者運動は、ロシア人兵士に敵対行為に参加しないよう呼びかける。戦争犯罪人になるな。良心的兵役拒否者運動は、すべての新兵に兵役を拒否するよう呼びかける。代わりの文民活動を申し出るか、健康上の理由で免除されるよう努力せよと」。そしてもちろん、ウクライナ平和主義者運動もまた、ウクライナの軍事的対応と、軍事的解決策を追求した結果であるとみている この交渉の停滞を非難します。

 

フアン・ゴンザレス:ユーリー、あと数分しかないので聞きたいのですが、あなたは既に米国とNATOの直接的な関与について話していますね。西側からウクライナに供給された武器の問題だけでなく、明らかに、ウクライナ軍が西側から受け取っている可能性が非常に高い実際の衛星監視データに関しても、ほとんど報道されていませんね。何年か後には、ロシア軍へのドローン攻撃はネバダなどのアメリカ基地から遠隔操作されていたとか、ウクライナ国内に既に相当数のCIAや特殊作戦部隊が存在していたとか、そういうことが分かってくるのではないかと推測します。おっしゃるように、ロシア、アメリカ、ウクライナのすべての側に民族主義者がいて、今の危機を煽っています。この戦争に対するウクライナの人々の抵抗はどのようなものなのか、あなたの感覚はいかがでしょうか。抵抗はどの程度広がっているのでしょうか。

 

ユーリー・シェリジェンコ:ご存じのとおり、このエスカレーションは、これらの軍需企業の働きかけによるものです。私たちはアメリカの国防長官ロイド・オースティンがレイセオンとつながっていることを知っています。彼は取締役でした。レイセオンの株価はニューヨーク証券取引所で6%の伸びを示していることも知っています。ウクライナにスティンガーミサイルを供給し、ジャベリンミサイルの製造元であるレイセオンは、38%の成長率を記録しています。そしてもちろん、このロッキード・マーティンもあります。F-35戦闘機を供給しています。14%の成長率です。彼らは戦争から利益を得て、戦争を推進し、流血や破壊からさらに利益を得たいとさえ思っています。何とか核戦争の規模にエスカレートしていませんが。

 

そして、人々は政府に対して、戦うのではなく、交渉するように迫るべきです。アメリカやヨーロッパでは、戦争屋に反対する多くの行動が行われています。WorldBeyondWar.orgのウェブサイト( https://worldbeyondwar.org/ )では、「ロシアはウクライナから撤退せよ。NATOは廃止を」というバナーがある告知を見つけることができます。

 

コードピンクは、バイデン大統領と米国議会に対し、エスカレーションではなく交渉のための請願を続けています。またコードピンクは、4月28日に世界規模のデモ「ストップ・ロッキード・マーティン」を行う予定です。NATO反対連合は、2022年6月にこの件とマドリードでのNATO首脳会議に反対してデモ行進を行うと発表しました。イタリアでは、Movimento Nonviolento(非暴力運動)が良心的兵役拒否者、兵役登録拒否者、ロシアやウクライナの脱走兵に連帯して良心的兵役拒否キャンペーンを開始しました。ヨーロッパでは、「平和のためのヨーロッパ」キャンペーンが、ヨーロッパの非暴力平和主義者がプーチンとゼレンスキーに最後通告を出すと述べました。戦争を直ちに止めよ、さもなければ、ヨーロッパ中から非暴力平和主義者のキャラバンを組織し、あらゆる手段を使って非武装で紛争地域に行き、戦闘員の間で平和維持者として活動する、というものです。例えば、ウクライナでの抗議行動については、このような恥ずべきものがあります…

 

エイミー・グッドマン:ユーリー、あと5秒です。

 

ユーリー・シェリジェンコ:OpenPetition.euで「軍隊経験のない18歳から60歳までの男性のウクライナ出国を許可する」

https://www.openpetition.eu/petition/online/allow-men-aged-18-60-without-military-experience-to-leave-ukraine )と題した請願署名が59000筆集まったことをお伝えしたいと思います。

 

エイミー・グッドマン:ユーリー、もうこの辺で失礼します。参加いただき大変ありがとうございました。ウクライナ平和主義運動事務局長のユーリー・シェリジェンコでした。

 

そして、今入ったニュースです。ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワルニーに9年の追加懲役が言い渡されました。

 

 

太田光征