ソウルヨガ

主流秩序、DV,スピシン主義、フェミ、あれこれ

『僕たちは希望という名の列車に乗った』

『僕たちは希望という名の列車に乗った』

 

いい映画だった。

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自己保身で、主流秩序に加担するのか。自分のために仲間の名を言うのか。
それとも、自分が不利になっても、誰かを下に蹴り落とすことをしないのか。親は普通の安定した生活を望む。自分が助かるために誰か一人を犠牲にしないかという誘惑もある。
その問題を、全体主義的な国家の圧力と絡めた映画。

当時の社会主義国にとって力で押さえつけるソ連の支配から逃れるというのは、かなり命がけレベルの話だった。


だから
以下の映画紹介のような「たんなる、純粋な哀悼の意をしめしただけなのに」「無意識のうちに政治的タブーを犯した」という話ではないと思った。

若いおろかさはあったが、それだけならあのような展開にはならない。「すぐにあやまっておわり」のはず。
そうではなく危険になっても政治に関心を持つという生き方を選んだのだ。

 

なお、これを「社会主義国のだめさ」の話だけととらえるのはあまりに自分が見えていない愚かな見方と思う。


之は今の日本で安倍支持してヘイトしたり、何でも異論を排除しようとする、日本社会そのものだ。そのなかで、勇気をもって異論を言うか、仲間を売らないかという主流秩序の問題そのものだ。


映画紹介


ベルリンの壁建設前夜の東ドイツを舞台に、無意識のうちに政治的タブーを犯してしまった高校生たちに突きつけられる過酷な現実を、実話をもとに映画化した青春ドラマ。1956年、東ドイツの高校に通うテオとクルトは、西ベルリンの映画館でハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を見る。自由を求めるハンガリー市民に共感した2人は純粋な哀悼の心から、クラスメイトに呼びかけて2分間の黙祷をするが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは社会主義国家への反逆とみなされてしまう。人民教育相から1週間以内に首謀者を明らかにするよう宣告された生徒たちは、仲間を密告してエリートとしての道を歩むのか、信念を貫いて大学進学を諦めるのか、人生を左右する重大な選択を迫られる。監督・脚本は「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」のラース・クラウメ。
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維新の立候補予定者がまた暴言

 


維新の会から参議院議員候補として出馬する予定の元フジテレビのアナウンサーの長谷川豊が、「江戸時代の被差別部落住民は、強盗や殺人、レイプを職業とするプロの犯罪者集団だった。武士の家族を狙って犯罪を行った。だから武士は家族を守るために刀を差していた」などと述べたとのことです。
以下、情報を転載します。


*****文字起こし*****
16分47秒
 女は三歩下がって歩け。ご存じでしょうか?聞いたことありますよね?日本人
男性は、日本人女性を卑下している。
「女なんて男の下の生き物なんだから三歩下がってあるけ」

 え~って、えっ~思いませんでした。思いませんでした?
一歩でよくないですか?二歩でよくないですか?
なんで三歩なんですか?なんでこの思わせぶりの三歩なんですか。
 「女は三歩下がって歩け!」そんな文章、見たことある人?
ないです、そんなの。正確には「女は三尺下がって歩け」です。
 これは先ほど冒頭でも話をしたワンピースというマンガで尾田栄一郎先生が、
えっ~と何巻だってけ、71巻か72巻の帯びのところに、この話を書いて一気
に有名にもなりましたけど。

17分50秒
 日本には江戸時代に、あまりよくない歴史がありました。
士農工商の下に「穢多」「非人」、人間以下の存在がいると。でも、人間以下に
設定された人たちも性欲などもあります。当然、乱暴なども働きます。
 一族野党、郎党となって、十何人で取り囲んで、暴行しようとしたときに、侍
は大切な妻と子どもを守るために、どうしたのか。侍はもう、刀を抜くしかなか
った。でも、刀を抜いたときにどうせ死ぬんです。相手はプロなんだから犯罪の。
 もう、振り回すしかない。
 ぶんぶん、ぶんぶん刀を振り回すして時間かせぎするしかない。どうせ死ぬん
だから。
 でも、自分はどうせ死んだとしても、一秒でも長く時間を稼ぐから大切な君だ
けは、どうか生き残って欲しい。

 僕の命は君のものだから。ボクの大切な君はかすり傷ひとつつけないよと刀を
振り回したときに、一切のかすり傷がつかないのが、二尺六寸の刀が届かない3
尺です。
 女は3尺下がって歩け、愛の言葉です。
 僕の命は君より、君のものだ。何があっても守る。
 戦前の日本男児は女性と子ども達のために、命をかけていました。男女7才に
して席を同じくせず。七才になったら女性と同じ席には座るな。
 「命をかけて守らないといけないのが女だ」「そのために僕たちは身体を鍛え
ているんだ」
**********************

 長谷川豊は、日本維新の会から次期参議院選挙区の比例区で出馬予定。
2019年2月24日、東京都世田谷区議会議員選挙に出馬する「ひえしま進」
候補予定者の応援会での講演内容が、5月15日にYouTubeにアップされ
ました。90分の講演を約30分ほどに編集されたものだと思われます。
名称:「長谷川豊講演会『日本の政治のメディアの裏側』」と題した講演会
日時:2月24日(日)19:00~、
会場:「北沢タウンホール3Fミーティングルーム」(東京都世田谷区北沢2-8-18)

YouTubeの全編動画は下記を参照下さい。16:47秒頃からです。
https://www.youtube.com/watch?v=xxNG8U637xw&feature=youtu.be&t=1061
解放同盟としても今後、抗議文や取り組みをおこなっていきたいと思います。
https://twitter.com/cracjp/status/11299975931305246
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最高傑作『マイ・ディア・ミスター~ 私のおじさん』

 

2018年 韓国ドラマ 原題:私のおじさん
邦題 「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」

 

まあ、人生ベストテン・レベルの、最高傑作の部類に入る。

 

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3万年、苦界に漂っていたイ・ジアンの凍った気持ちが解けていく物語。人間観が変わる。
ドンフンの優しさ、負け組たちの町の優しさ。様々な縁の不思議さと豊かさ。でも彼も生きながら死んでいた。そこに押し寄せた波につぶされるが、彼も生きなおせた。ほどける感情。

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盗聴によってつながる、隠れた面への共感と感動(しびれる)と愛。

 

「その人を知る」「何かいるか」「ファイチン」
という言葉がこれほど意味を持つ作品はなかった。
もっとも言葉に心を込めている作品。

作者(脚本家、監督)の人間性の差が如実。


主流秩序から離れるという作品。苦界に生きる人の絶望に寄り添う作品。
「生き方を間違った」


恋愛に逃げない作品。
名前のない関係や感情に「色や形や言葉のやり取りや沈黙や表情」をあたえた。


そばに10分黙って立つ、というような。


●「これも縁」
●「俺でも殺す」

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●あるルートでイ・ジアンから盗聴されていたと知っても、それでも悪くとらないか、信じられるか。
●その人を知ったら何があっても大丈夫。俺はお前を知っている。


●「愛を語るのに、どうしてせせら笑えるのか「愛を知らない」
●「あの子はあんな目をしていなかった」


●母が亡くなった時寂しい葬式ではなく、参拝客と花がいっぱいの葬式にしたい。みじめな葬式にしたくない。
そしてイ・ジアンのおばあさんのお葬式に・・・


「誰も知らない」の子供たちを見てつらくて5分で見るのをやめる。この子たちを育てたいと思う。


●お婆さんが亡くなったら葬式の連絡をしろ、おれの母親が亡くなったら連絡する」


●ドンフンにとって食事をするということは、そういうことだ


●ありがとう

 

西岡力、櫻井よしこをメディアに出すのはおかしい

 

 

この裁判バのことを知らない人がほとんどだから、櫻井がまだメディアに出ている。この本はもちろん持っていますが、前田朗さんが紹介さえたので、ブログを紹介しておきます。


植村裁判取材チーム編『慰安婦報道「捏造」の真実――検証・植村裁判』(花伝社、
2018年)
https://maeda-akira.blogspot.com/2019/05/blog-post_12.html


SUNDAY, MAY 12, 2019
西岡力櫻井よしこの「捏造」疑惑

植村裁判取材チーム編『慰安婦報道「捏造」の真実――検証・植村裁判』(花伝社、2018年)

http://www.kadensha.net/books/2018/201812ianhuhoudounetuzounosinzitsu.html

誰が、何を、「捏造」したのか

法廷で明かされた“保守派論客”の杜撰な言論

櫻井よしこ西岡力が事実を歪曲し、世論をミスリードした慰安婦問題

「事実」をめぐる論戦はまだ続く

1 問われる「慰安婦報道」とジャーナリズム

2 個人攻撃の標的にされた「小さなスクープ」

3 櫻井よしこが世界に広げた「虚構」は崩れた

4 西岡力は自身の証拠改変と「捏造」を認めた

5 櫻井と西岡の主張を突き崩した尋問場面

6 「真実」は不問にされ、「事実」は置き去りにされた

7 植村裁判札幌訴訟判決 判決要旨(2018年11月9日)

慰安婦」問題を取り上げた植村隆朝日新聞記者・当時)の記事は、金学順さんの経歴、「慰安婦」になった経緯を誤報した。事実を書かず、事実でないことを書いた、しかも義母の便宜供与によって事実を歪めて書いた。それゆえ「捏造」である。――2014年に大騒動となった「慰安婦」記事捏造問題は、実はまったく逆に西岡力櫻井よしこによる「捏造」であった。この驚くべき事実を、本書は見事に解明している。

西岡と櫻井は、金学順さんの1991年のカムアウト、記者会見、及び訴状をもとに、植村記者が事実を歪めて書いたと主張した。例えば櫻井は次のように書いた。

「訴状には、14歳のとき、継父によって40円で売られたこと、3年後、17歳のとき、再び継父によって、北支の鉄壁鎮というところに連れて行かれて慰安婦にさせられた経緯などが書かれている。

 植村氏は、彼女が継父によって人身売買されたという重要な点を報じなかっただけではく、慰安婦とは何の関係もない『女子挺身隊』と結びつけて報じた。」

西岡と櫻井は、植村記者に「捏造」とのレッテルを貼り、大宣伝した。これにより週刊誌やインターネット上では、捏造記者・植村に対する非難の嵐となった。植村は就職が決まっていた大学教授の地位を失い、家族のプライバシーを侵害され、社会的に抹殺されそうになった。

これに対して、植村は己の名誉と家族の安全のために、反撃に出た。「私は捏造記者ではない」。そして、西岡と櫻井それぞれを相手に名誉毀損裁判を起こした。

裁判において明らかになったのは、植村の記事は事実を正確に紹介したこと、これに対して、西岡と櫻井の記事はおよそ事実からかけ離れていたことであった。

2018年3月23日札幌地裁での尋問である。

川上(原告代理人弁護士)「訴状には『継父によって』という記載がない、これは間違いないですね」

櫻井「はい」

川上「『40円で』という言葉も訴状には出ていないことも間違いありませんね」

櫻井「はい」

川上「『売られた』という単語も入っていませんね」

櫻井「はい」

川上「あるいは、訴状には、『継父に慰安婦にさせられた』との記載もありませんね」

櫻井「はい」

川上「訴状には、『継父によって人身売買された』との記載もありませんね」

櫻井「はい」

金学順が継父によって人身売買されて慰安婦となったという櫻井や西岡の主張には何ひとつ根拠がなかった。二人の「創作」である。櫻井と西岡は、自分たちの「創作」に基づいて、植村に「捏造」との非難を浴びせたのだ。このことを本書はていねいに明らかにしている。本書の結論は明快である。

「櫻井の言説こそ『ジャーナリストとしてあってはならない』ものではないのか。」

「自ら法廷で示した定義によって、西岡力は自らが『捏造学者』であることを立証した、と言っても過言ではない。」

両名の尋問記録が収録されているので、読者は迫真の「捏造暴露」過程を読むことができる。

 

「おまえについて 何を聞いても 知らないフリをしてやる。」

 

韓国ドラマ『マイ ディア ミスター~ 私のおじさん』がいい。

名作。

今年みたものの中で  NO.1


公式サイト
http://mydearmister.jp/

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「余裕ある人は、簡単にいい人になる」

 

「人の悪口を聞いても 本人には伝えるな」


「おまえについて 何を聞いても
知らないフリをしてやる。
だから 約束しろ
知らないフリをすると」

 

・・・やさしい

 

 

WAM 【アピール】天皇制に終止符を

 

WAMが天皇制批判声明を出しました。

まともな一つの見解と思いますので、ここに載せておきます。

戦争への道が着々と醸成されつつある中、それに気づかずに乗る人が多くなる中で、今一度、こういう意見を出す人がいることを自分の頭で考え、自分で勉強していって、流されない人が増えればなと思います。

その営みの一部を自分の足元からお互いしていきましょう。
https://wam-peace.org/news/opinion/7582


【アピール】天皇制に終止符を

2019年4月30日 TOP, wamからの声明・抗議・要請

天皇制に終止符を


 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)は日本で唯一、日本軍性奴隷制(日本軍「慰安婦」制度)の被害と加害を記録し記憶する資料館として、2005年8月に開館しました。


 日本軍は、中国侵略に始まりアジア太平洋戦争が終結するまで、アジア太平洋各地に夥しい数の慰安所を設置しました。しかし、連合国による東京裁判BC級戦犯裁判ではごく一部の性暴力が裁かれただけで、日本軍性奴隷制の責任者が裁かれることはありませんでした。戦後の日本もまた、自らの手で自国の戦争犯罪を裁いてきませんでした。


 2000年12月に東京で開かれた「日本軍性奴隷制を裁く 女性国際戦犯法廷」では、アジア各国・各地域での性暴力被害を明らかにし、日本軍性奴隷制度の責任者として天皇裕仁と軍高官9名に有罪判決を下しました。wamはこの「女性国際戦犯法廷」の思想を引き継ぎ、日本の戦後社会が向き合わなかった戦争責任と植民地支配責任を問い続けてきました。


 2019年2月、韓国の文喜相国会議長はインタビューで、日本軍の性奴隷にされた被害者に対して「天皇陛下が謝罪すれば解消される」と発言しました。現行憲法では天皇に政治的権能はありませんが、天皇の名のもとに行われた朝鮮植民地支配の実態を考えれば、この議長の心情は当然理解できるものでした。「常軌を逸して」いたのは、日本政府やメディアによるバッシングです。


 国事行為にはない「慰霊の旅」を続けながら、「昭和天皇は平和を愛していた」と繰り返し、「象徴天皇の務めが途切れることなく、安定的に続いていくこと」を目的に退位を表明した明仁を、安倍政権よりはマシであると評価することはできません。また、血統主義によって継承される天皇制は、女性が「産む機械」となることを強い、女性差別を再生産し続けています。何よりも、高齢化が進み生存者がわずかになってしまった被害女性たちが、最期まで被害事実の認定と謝罪・賠償・責任者処罰を求めていたことを思い起こすと、「新元号だ」「代替わりだ」と浮かれているわけにはいかないのです。


 天皇制は、自由と平和、平等と民主主義に反する制度です。日本の戦争責任、植民地支配責任を果たすためにも、日本人が自らの手で天皇制に終止符を打つ、その歩みをみなさんとともにこれからも進めていきます。


2019年4月30日
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)

 

新著『シングル単位のデートDV防止教育を広げよう』発売


伊田広行著『シングル単位のデートDV防止教育を広げよう―― デートDV予防学NO.2』
ができました。
印刷本あるいは電子本、両方いけます。
アマゾン内の以下の書籍ページで注文できます。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07QYQ4PTM

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以下、紹介文と目次です。


『シングル単位のデートDV防止教育を広げよう――デートDV予防学NO.2』
2019年4月発行
 電子書籍&POD版(ペーパーバック)

著者 伊田広行 (イダヒロユキ) 

 

本書は『シングル単位思考法でわかる デートDV予防学』(かもがわ出版、2018年12月)の姉妹本である。

デートDV/ストーカー防止教育を充実させるために、実施者・教員が学んでおいたほうがいいことをまとめている。DVの被害者や加害者にかかわっている人のDVと支援への認識を高める情報を載せている。


なかなか1回の「授業」ではすべてを伝えられないが、実施者がプログラムを充実/改善するとき、教員が継続的に行っていくとき、普通授業の中や雑談でこの話題を入れ込んでいくとき、相談を受けたとき、個別指導する時などに参考になるだろうと思う。


DV関連支援やデートDV防止教育を行う上でシングル単位という概念が重要だが、まだまだ本当には理解されていないので、そこが具体的にわかるような「様々な教育内容」「考え方」「切り口」「材料」を本書では紹介している。


例えば、『デートDV予防学』でふれたことの、追加説明として、シングル単位のひとつである「課題の分離」をDVの例や親子の例で豊富化して説明した。

主流秩序とDVの関係の話もしている。

家族や親しい関係と言った共同体を否定しているのではなく、「健全な共同体愛」であるためにはこれが必要いう話もしている。

自己肯定感の低さやいじめや毒親やブラック部活やメンヘラとの関係で伝えることの有効性の話。

嫉妬の精神の中にある問題を主流秩序や中島みゆきの歌と絡めて考察。

性的暴力、性的同意、ストーカー、SNS問題、共依存とDVの関係などにも触れ、実際に生徒や学生から出された感想やQ&Aも多数入れた。


本書が、デートDV(防止教育)をあと一歩深く理解し充実させるために参考となれば幸いである。もちろんデートDVも本質はDVなので、本書は狭義のデートDVの話だけでなく、多くはDVそのものの理解を深める内容となっている。


DVに関するコラムも多数掲載し、コナリミサト『凪のお暇』、後藤真希さんのDV被害問題、「東京ラブストーリー」、田辺聖子さんのフェミ的3部作『言い寄る』『私的生活』『苺をつぶしながら――新・私的生活』、「間接的虐待と受動虐待」などに触れた。
本書によってDV問題の深さを味わっていただきたい。

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目次
第1章  「共同体への愛」という問題を「健全か不健全か」で考えるように提起しよう 
第2章  デートDVの学びは他のことにも役立つことを伝えよう ―― 主流秩序とDV 
コラム1 コナリミサト『凪のお暇』は、DV関係・主流秩序から離脱し自立していく物語 
第3章 ブラック部活や毒親問題など関連領域とつなげよう 
3-1 いじめ 
3-2 ブラック部活1
3-3 毒親問題 
3-4 自己肯定感が低くて被害者になりやすいという問題 
3-5 「メンヘラ」問題とデートDV 
第4章 シングル単位思考法の実践 ―― 「課題の分離」で考える 
4-1 親子問題で考える「課題の分離」の難しさと深さ 
4-2 様々な具体例で考える「課題の分離」 
4-3 DV問題の解決に有効な「課題の分離」 
第5章 性暴力問題・性教育と結びついたデートDV教育 
5-1 デートDVと性暴力・性教育 
5-2 性的同意 
5-3 その他の「デートDV防止教育の中で触れる性的な問題」 
第6章 ストーカー・SNS対策をいれたデートDV防止教育にしよう 
6-1 ストーカーについて学ぶ 
6-2 SNS、写真問題 
第7章  嫉妬・束縛の心理を拡大してとらえよう 
コラム2 「グレーゾーン」「共依存的なデートDV」についてのメモ 
第8章 デートDV防止教育を義務化しよう 
8-1 デートDV予防教育の義務化 
8-2 質問に答えていくことが重要 
8-3 DV被害者/加害者にかかわる学校での体制づくり 
8-4  被害者・加害者双方の言い分を知るワーク教材 
コラム3 予防教育を受けた学生さんの感想 ―― シングル単位の実践的理解
コラム4 「アサーティブ」という名で、「怒る自由」を奪うな 
コラム5 『東京ラブストーリー』にみる「シングル単位の欠如」 
コラム6 2019年3月、後藤真希さんの不倫とDVの話が話題になる 
コラム7 田辺聖子さんのフェミ的3部作『言い寄る』『私的生活』『苺をつぶしながら ―― 新・私的生活』 
コラム8 「受動喫煙」概念から考える「DVと虐待」 ―― 「間接虐待」と「受動虐待」 
おわりに 

 

 

上野千鶴子さん 平成31年度東京大学学部入学式 祝辞

参考資料: 

以下の祝辞は、大学で学ぶということ、私が大学で伝えている主流秩序論、ジェンダー論と重なる部分が多いので、紹介しておきます。

 

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上野千鶴子さん 平成31年東京大学学部入学式 祝辞
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html

ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。
女子学生の置かれている現実
 その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることが判明しました。文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査を実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生の合格率に対する男子学生の合格率は平均1.2倍と出ました。問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大、慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやすい大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。統計は大事です、それをもとに考察が成り立つのですから。

 女子学生が男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?全国医学部調査結果を公表した文科省の担当者が、こんなコメントを述べています。「男子優位の学部、学科は他に見当たらず、理工系も文系も女子が優位な場合が多い」。ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。

 事実、各種のデータが、女子受験生の偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。まず第1に女子学生は浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。統計的には偏差値の正規分布に男女差はありませんから、男子学生以上に優秀な女子学生が東大を受験していることになります。第3に、4年制大学進学率そのものに性別によるギャップがあります。2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。

 最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。「どうせ女の子だし」「しょせん女の子だから」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling downすなわち意欲の冷却効果と言います。マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。

 そうやって東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。他大学との合コン(合同コンパ)で東大の男子学生はもてます。東大の女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、退かれるから、だそうです。なぜ男子学生は東大生であることに誇りが持てるのに、女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。なぜなら、男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。女子は子どものときから「かわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大生であることを隠そうとするのです。

 東大工学部と大学院の男子学生5人が、私大の女子学生を集団で性的に凌辱した事件がありました。加害者の男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。この事件をモデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女は頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマに学内でシンポジウムが開かれました。「彼女は頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者の男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大の男子学生が社会からどんな目で見られているかがわかります。

 東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。わたしが学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月に東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告を発しました。

 これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等の社会でした。偏差値競争に男女別はありません。ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています。社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。
 学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。その先、研究職となると、助教の女性比率は18.2、准教授で11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員の女性比率より低い数字です。女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。

女性学のパイオニアとして
 こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。なかったから、作りました。女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました。女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンやタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?日本の歴史に同性愛者はいたの?...
誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。今日東京大学では、主婦の研究でも、少女マンガの研究でもセクシュアリティの研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。そして私を突き動かしてきたのは、あくことなき好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。
 学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります。女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学、障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。

変化と多様性に拓かれた大学
 言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証です。東大には、国立大学初の在日韓国人教授、姜尚中さんもいましたし、国立大学初の高卒の教授、安藤忠雄さんもいました。また盲ろうあ三重の障害者である教授、福島智さんもいらっしゃいます。

 あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境があなたたちを待っています。そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います。
 あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

 あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。

東京大学で学ぶ価値

 あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。これまであなた方は正解のある知を求めてきました。これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるからです。学内にとどまる必要はありません。東大には海外留学や国際交流、国内の地域課題の解決に関わる活動をサポートする仕組みもあります。未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。異文化を怖れる必要はありません。
人間が生きているところでなら、どこでも生きていけます。あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。ようこそ、東京大学へ。

平成31年4月12日
認定NPO法人 ウィメンズ アクション ネットワーク理事長
上野 千鶴子

 

財務省「背任」の決定的場面~森友事件不起訴が不当であるワケ~

非情にまともな記事なので紹介しておきます


財務省「背任」の決定的場面 ~森友事件不起訴が不当であるワケ~
相澤冬樹 | 大阪日日新聞論説委員・記者(元NHK記者)

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/aizawafuyuki/20190403-00120716/?fbclid=IwAR1SegR15fMpURsVt0fLGacpSLP_4rVPa3gJbYe1xZHViVcVESgmjcwXTXk

3月29日、森友事件で検察審査会が「不起訴不当」という判断を公表したのは記憶に新しい。検察の不起訴の判断はおかしいというのだから大きな反響を呼んだ。だが報道の多くは公文書改ざんに関わった元財務省理財局長の佐川宣寿氏を見出しにとった。
 実際には、森友事件の本質と言える国有地値引き売却の「背任」でも不起訴不当が出ている。売却担当だった財務省近畿財務局の職員も含まれる。この職員は森友学園側から、国有地の買い取りにいくらまでなら出せるか、上限額を聞き出していた。
 私はNHKの記者だった2年前、2017年(平成29年)7月、この事実をニュースで報じた。様々な関係者や捜査当局などへの取材を重ねた結果だ。ここで、あの時のさらに詳細なやりとりを初めて明らかにしたい。それはまさに「背任の決定的な場面」と呼ぶにふさわしい。
【背任の“決定的場面”】
 3年前の2016年(平成28年)。日に日に春らしさが増す3月30日の夕刻。スーツ姿の2人の男が大阪市内某所に森友学園の関係者を訪ねた。財務省近畿財務局の統括国有財産管理官I氏と上席管理官M氏。森友学園への国有地売却を担当している。2人はこの日の日中、学園を訪れて籠池泰典理事長(当時)夫妻らと面会した際、国有地の値下げを強く迫られていた。これを受けて売却額について突っ込んだ話をするため、改めて関係者のもとを訪れたのだ。
I統括)有益費(土壌改良工事の費用)の関係があるので、売却額は1億3200万円を切ることはできません。それで大丈夫ですか?
関係者)理事長が納得できるかわかりません。けれど予算的には買えると思います。うちとしてここまでしか出せないという額はあります。
I統括)いくらまでなら出せますか?
関係者)1億6000万円です。うちとしては厳しいかもしれませんが、のまなあかん時もあります。
I統括)その範囲に収まるといいですね。
 …それから2か月。財務局が提示した売却額は1億3400万円。見事に「その範囲に収まって」いた。近畿財務局が森友学園側に出せる金額の上限を尋ね、売却額をその範囲に収めて大幅に安くし、国民の財産に損害を与えた。まさに「背任」であろう。
 そして上限額を聞き出したその日に、近畿財務局は土地を管理する国土交通省大阪航空局に、国有地のごみの撤去費用の積算を依頼している。値引きの根拠とされた撤去費用を。しかも学園側から聞き取った上限額を、大阪航空局の担当者にも伝えたという。
【これほどまでの便宜】
 このやりとりのおかしさは、「売り手の方から買い手が出せる上限額を聞いている」ことだ。これは国有地だ。国民の財産を守るため、鑑定評価額で売るのが当たり前で、買い手の上限額など関係ない。過去に近畿財務局と土地取引をしたことのある弁護士は、「彼らは決してまけない。鑑定価格を示してきて、『これより1円も安くも高くもなりません。いやなら買わなくていいです』と言ってくる。それなのに森友だけ特別扱いだよね」と話している。そう、まさに特別扱いだ。そもそも会話の冒頭から、最低価格を示して「大丈夫ですか?」と尋ねている。なぜ国が買い手のことを心配せねばならないのか?
 近畿財務局はその後も特別扱いを繰り返している。例えば同じ年の5月18日。この2人は森友学園を訪れ籠池理事長(当時)夫妻と面会している。音声データで残っている、そこでの財務局の2人の発言。
・僕は(学園側と)合致する金額をご提示したいと思ってるだけです。
・理事長がおっしゃるゼロに近い金額まで、私はできるだけ、評価を努力するという作業を今やってます。
・以前ご説明した方法というのが、国有地の分割払いで買うみたいな方法ですね。最初に2割ぐらいを入れて、あと10年であとの8割を返すみたいな。
・それをやった時に、結構、劇的に月額の負担料は安くなる。
 国有地では極めて異例の分割払いを、国の方から提案している。これほどまで便宜を図っていたのである。
【特ダネに激怒した報道局長】
 「上限額聞き出し」をNHKニュース7で報じた際、原稿には冒頭に「特ダネ」と記された。それから3時間ほどして驚愕の事態が起きた。
 私の上司である大阪の報道部長の携帯に、怒りの電話がかかってきたのである。東京の報道局長、NHKの全国の報道部門のトップだ。電話口から「私は聞いてない。なぜ出したんだ」という激怒した声が聞こえてくる。私はたまたま部長の目の前にいて内容を知った。電話は繰り返しかかってきた。最後に電話が切れた時、報道部長は言った。「あなたの将来はないと思えと言われちゃいましたよ」
 これほど露骨な圧力は初めての経験だった。この場合の「あなた」は報道部長のことだが、部長はこの原稿に直接タッチしていない。その部長の将来が「ない」と言うなら、原稿を書いた私の将来は「もっとない」だろう。私は「次の人事異動で何かあるな」と予感した。
 そして次の人事。私は記者を外され、報道と無関係の部署に異動した。だから私はNHKを辞めた。そして、この時の経緯を含む森友報道の舞台裏と、記者やディレクターたちの奮闘を本に書いた。題して「安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由」(文藝春秋刊)
 でも、報道局長は何を激怒したのだろう? このニュースを出して不都合があるのは財務省であり、首相官邸であり、政権である。私は政権批判ありきではないが、政権に不都合なニュースも堂々と出すのが記者の心意気であり、報道機関のあるべき姿ではないか。それなのに報道局長はなぜ激怒したのだろう。忖度? それとも何らかの…?
【上限額を記したメモ】
 この時のNHKの報道内容について、財務省はのちに国会での質問に対し、短く一言「事実です」と答弁し、事実関係を認めた。
 この「1億6000万円」の上限額を記したメモが近畿財務局にあり、このメモを大阪地検特捜部が入手していたと見られることも、取材の結果わかった。メモの存在は、財務局が上限額を強く意識していたことを示す。
 上限額聞き出しの面談内容は、籠池前理事長やほかの関係者にも報告され、数人が知るところとなった。特捜部も捜査によって把握していたと見られる。それでも特捜部は、背任で告発されたI統括らを不起訴にした。
【“不起訴不当”と判断した検察審査会
 だが有権者から選ばれ、市民目線で検討する検察審査会は、そうは判断しなかった。I統括国有財産管理官とM上席管理官は、背任容疑で「不起訴不当」とされた。この2人の行為について検察審査会は次のように判断した。
大阪航空局の担当者に(値引き額の根拠となる)撤去費用の積算金額を上積みするよう指示していた。
・売り払い価格を約1億3000万円に近づけるべく手続きを進めており、この金額が適正ではないと認識していた。
・自己保身のため国有地を森友学園側が希望する価格に近づけるため、売却価格ありきで値引きし、売り払ってしまう方向に動いたのではないかと推認できる。
 その上で、検察当局に対し次のように指摘した。
・政治家らによる働きかけの影響の有無についても検察官はさらに捜査を尽くすべきと考える。
・本件のような社会的に注目を集めた事件については、公開の法廷という場で事実関係を明らかにするため、公訴を提起する(=起訴する)意義は大きいのではないか。
 実に的確、かつ手厳しい指摘と言うべきだろう。これらの不起訴処分をした大阪地検特捜部の主任検事は、現在、特捜部ナンバー2の副部長になっている。不起訴不当の議決を受けた再捜査では、今度こそ背任を立件してもらいたい。
【国、国会、報道の責務】
 しかし、より厳しく問われるのは安値売却の当事者である財務省の責任だ。上限額聞き出しについて国民にきちんと説明すべきであろう。
・なぜ上限額を聞き出したのか?国としてその必要があったのか?
・なぜ「その範囲に収まるといいですね」と言ったのか?
・実際にその範囲に収まる金額で売却しているのはなぜか? そのために上限額を聞いたのではないか?
・これ以外にも学園の都合に合わせて売却条件を決めるような発言を繰り返したのはなぜか?
 財務省がきちんと説明しないのなら、ここは国会の出番だ。ぜひ当該職員を呼んで説明を求めてほしい。そして、なぜそこまでして森友学園に国有地を安値で売却しなければいけなかったのか、その謎を解明してほしい。この国有地に建つはずの小学校は、安倍昭恵首相夫人が名誉校長を務めていたのだ。
 これらの謎が解明された時、初めて森友事件は解決したと言える。これは国の責務であり、国会の責務であり、同時に報道の責務である。

 

「令和」=「命令・秩序による調和」とは、主流秩序への従属というイメージと大きく重なる

「令和」=「命令・秩序による調和」とは、主流秩序への従属というイメージと大きく重なる

 

元号の騒ぎ。右翼政治の仕掛けて政治ショー。それに無批判に乗るメディアの多い事よ。戦争前夜にますます似てきている。歴史から学ばない愚かさ。


安倍がナショナリストなのは、前から明白だったが、今回も決め方や意味でおかしなことだらけ。安倍と菅がシャシャリ出て、無意味にナショナリスティックに「中国からはやめて国史から」と言っていること(安倍が昔から取り巻きに影響されて言っていたことA)、誰が決めるのかということで、政治家とくに首相周辺で独裁国家的に決めていること、有識者と言っても安倍シンパ(安倍のお気に入り)を集めているだけであること、天皇制に無批判で、西暦統一問題(行政での元号使用の不便さ、非合理さ)を無視していること、

「令和」というのは、命令の令なので、上から命令し、調和を押し付けるという、管理統率社会を良しとしている価値観がにじみ出ていること、令は令嬢や「巧言令色鮮(すく)なし仁」の令で、よい意味というより表面的な浅い「美」(表情を取り繕って人に気に入られようとすること)でしかないイメージがあること、律令の令なので、権力者・上からの政治・法の支配による和(なごみ、集団に同調)などの意味に見えることなどから、批判があって当然。


「令和」=命令・支配・秩序による調和とは、主流秩序への従属というイメージと大きく重なる。伝統なんて変わるし、恣意的だし、中国の影響あってもいいし、純粋な日本にこだわるのがおかしい。

 

国際的には素直に、天皇制と命令ととって、右傾化とか国粋主義的傾向・ナショナリスティックとか「国家の威信の増強を狙う安倍首相の保守的アジェンダを反映」「安倍支持の保守的政治基盤へのアピール」と理解しているのに、国内報道では批判はほとんどない。

気持ち悪いのは、他の案もべつにいいのに「令和がいちばんいい」「すばらしい」「かっこいい」などほめたたえることを恥ずかしげもなく言っている人たち。

6案あれば、これがいいと意見が分かれても当然なのに。それは世間でも、決定過程でも同じで安倍が誘導した方向に無批判に従うという愚かさ。。

からしい政治ショーを仕掛ける人、それに乗る人、乗せられる人、追随するメディア。
主流秩序にあわせる輩ばかり。


東京オリンピック熱狂・IWC脱退と重なる内向きニッポン!

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高須さんが右翼言論人であることは明らかなのに

 

高須克弥さんはこの数年、ネットで右翼言論人として発言しているのですが(右翼との写真問題もあった)、

ある知り合いは、「あの人ってカンパしたりして応援しているからいい人なのでは?」といっていて、今のSNS情報社会でイメージが作られているなあと思います。


以下の記事、その高須のひどさを外国は事実でもってちゃんと指摘しているという話ですが、日本社会で、こんな妄言を言う人が存在し有名人として発言し続けられるということの愚かさよ。

 

*************

 

アウシュビッツ記念館が高須克弥さんに日本語で忠告「アウシュビッツは史実です」
3/17(日) 15:07配信

 

@AuschwitzMuseum のTwitterより
ポーランドアウシュビッツ記念館の公式Twitterが、日本語で異例の忠告コメントを出した。(浜田理央 / ハフポスト日本版)

 

【ツイート】アウシュビッツ記念館が高須克弥さんに日本語で忠告

高須クリニック高須克弥院長が、第2次世界大戦下にアウシュビッツ収容所で起きたユダヤ人に対する大量虐殺(ホロコースト)が捏造だと持論を述べたのに対して、リプライ欄で忠告したのだ。

発端は高須院長の2015年10月19日のツイートで、「南京もアウシュビッツも捏造だと思う」とつづった。

これに対して、アウシュビッツ記念館が2019年3月15日、コメント欄で「アウシュビッツは史実」と忠告し、高須院長の歴史的事実に反する認識を正した。

アウシュビッツは世界中の人々の心に絶えず忠告する史実です。 ナチス・ドイツによって造られたその強制・絶滅収容所の史跡は、 人類史上最大の悲劇を象徴しています」

アウシュビッツ記念館のTwitterは普段、英語とポーランド語で情報発信しており、日本語でのコメントは異例と言える。

ツイートには、第2次大戦下にナチス・ドイツ軍による大量虐殺の現場となったアウシュビッツ収容所の歴史や、現在の博物館の活動などが書かれた日本語の冊子のリンクも添付されている。

アウシュビッツ記念館の忠告に対して、高須院長は3月16日「全ての歴史は検証されるべきだと思います。これが正しい科学者の姿勢だと思います」と反論している。
ホロコーストとは
アウシュビッツ強制収容所は1940年、ナチス・ドイツが当時ドイツ領だったポーランド南部のオシフィエンチムに建設。連行されたユダヤ人の数は約110万人で、そのほとんどがガス室などで殺害された。

朝日新聞(2006年12月17日朝刊、2015年5月26日朝刊)によると、当時の西ドイツのヴィリー・ブラント首相が1970年、初めてポーランドワルシャワを訪問。ユダヤ人ゲットーの記念碑の前でひざまづき、ナチス・ドイツ時代のユダヤ人虐殺について謝罪の意を表した。
浜田理央 / ハフポスト日本版
【関連記事】

3・18参議院予算委員会での山本太郎発言

いったいどこが「不穏当」なのか。3・18参議院予算委員会での山本太郎発言を振り返ってみた


2019nenn3 /19(火) 8:32配信

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190319-00188252-hbolz-soci


(ハーバー・ビジネス・オンライン)


 自由党共同代表で国民民主党新緑風会山本太郎参議院議員は3月18日、参議院予算委員会辺野古の新基地建設をめぐって質疑を行った。山本議員は、政府が沖縄の民意を踏みにじっていることを痛烈に批判。インターネット上で話題になった。

 以下、山本議員が午前中に行った質疑と、安倍晋三内閣総理大臣らの答弁を文字起こししてお伝えする。

◆玉城知事の参考人出席を自民党が反対。参院は官邸の下請けか

山本太郎議員(以下、山本議員):はい、自由党共同代表山本太郎です。会派国民民主党・新緑風会を代表し、総理に全てお聞きをする前に、本日の委員会で野党側が要求していました参考人玉城デニー沖縄県知事について。理事会で自民党が反対をいたしました。デニー知事を参考人としてお呼びできませんでした。先日我が会派・森ゆうこ議員の新基地建設に対する質疑に防衛大臣は「沖縄に聞いてくれ」との趣旨の答弁をしました。その後、理事会でデニー知事を参考人として要求。結局自民党は反対。委員長、玉城デニー知事の参考人出席、自民党が理事会で反対をした理由、教えてください。

金子原二郎委員長(以下、金子委員長):山本くん、参考人の出席につきましてはね、あなたもかつて理事会に出席しておいてなんで、協議が調わない場合は、一応出席できない状態になっているわけであって、その賛否についてはね、ある場合とない場合がありますから。合意するかどうかにかかっているわけですから、合意に至らなかったんで結果的にはダメだったということです。

山本議員:ありがとうございます。ただいまお答えいただいたのはあくまでもルール、全会一致が原則ルールだということを主に説明していただいたと思います。理由がないのに反対だなんてありえますか。合理的説明もできない反対なんてありえないじゃないですか。どうしてデニーさん呼べないのかって話なんですね。その際野党は再度検討を求めましたが、委員長はそのまま仕切って参考人の話は打ち切り。公平公正な委員会運営とは程遠いと思います。NHKのテレビ入りで沖縄の実情をデニー知事に話されると官邸の、政権側の印象、立場が悪くなる。本当の反対理由これじゃないですか。自民党参議院自民党、官邸の下請け、そういう仕事じゃないですか、今やってるのは。私はそう思いますよ。

<一時速記中断>

金子委員長:ただいまの不穏当な言葉があるとのご指摘がありましたので、委員長といたしましては後刻、理事会において速記録を調査の上、適当な処置を取ることといたします。

山本議員:いやいや、だって、玉城デニー知事を呼ばない理由がはっきりしないんですよ。合理的説明できてないじゃないですか。反対理由なんですか。政権に対してこれ打撃を与えたくない。デニーさんに本当のことをしゃべられたら困るっていう話以外見つからないじゃないですか。だから官邸の下請けじゃないですかってことを言ってるんですよ。ここは立法府であり行政を監視することも仕事です。行政監視の一環として大きな問題を抱え、苦しみ続ける沖縄の皆さんに対して、基地問題、当事者の代表、デニー知事にお話を伺い、少しでも解決に導こうとすることも立法府の仕事じゃないんですか。立法府にいながら、国民の代表でありながら、政権に忖度することが議員としての最優先課題ならば、それは自分のキャリアアップや就職活動のための仕事でしかないじゃないですか。そんなことのために沖縄の声を直接聞き、解決の糸口を探る機会を奪わないでいただきたい。再度玉城デニー知事の参考人出席を求めます。

金子委員長:理事会で協議をさせていただきます。

◆安倍首相は「沖縄に寄り添う」ことができているのか?

山本議員:では始めます。時間ももう少なくなってきましたけれども、お昼休みまでですね。今国会の中で総理、私の事務所で調べただけで10回ですね、10回「沖縄に寄り添う」という言葉を発言されています。総理これまで10回もご発言された通り、沖縄に寄り添うという気持ちは本物であると、それを確認させて頂けますか。

安倍晋三内閣総理大臣(以下、安倍総理):沖縄に米軍基地が集中をしているというこの現在のこの現状ですね、我々は到底是認できるものではないわけでございまして、沖縄の米軍基地の縮小のためにこの6年間我々も全力を尽くしてきたところでございます。今後ともその姿勢には変わりがないということを申し上げておきたいと思います。

山本議員:ありがとうございます。「寄り添う」。この「寄り添う」という言葉を調べてみると、「ぴったりと側へ寄る」とあります。自分の感情を相手の気持ちと同化させるよう、同化させるようにするようなこと。いかにも、いかに相手の気持ちを汲み取れるか。それに自分の心を寄せていく様が寄り添うということのようです。沖縄県民投票の結果、辺野古に基地はいらないと圧倒的な民意がはっきりした翌日、埋め立ての土砂を積んだトラックなど約300台が資材搬入ゲートを通過。琉球新報では名護市阿波にある桟橋で工事車両583台が運搬船3隻に土砂を積み込んだと。沖縄県民、沖縄県民投票では72%が反対。超圧倒的明確な結果を完全に無視した、聞いたことがない寄り添い方です。これ本当にどうやって寄り添っていくのかということですね。この後総理にも聞いていきたいと思うんですけれども。

◆防衛相が1万ページの報告書を予算委員会の終盤で提出

山本議員:先日ですね防衛省の方が、軟弱地盤に関わる地質データを含む約1万ページにも及ぶ報告書などが防衛省から出されたんですね。これやっと出したかって話なんですよ。なんか聞くところによると、防衛大臣がずいぶん出されることに抵抗をしていたというお話を聞いています。予算委員会が終盤に入ったこのタイミングで、1万ページもの資料提供。出さないよりかいいですけど、このタイミングですかって。もう終わりますよ、予算委員会防衛省が提出を粘り続けたのは本委員会での議論を避けたい意図があるとしか考えられない。この短い間に、もう3月、3月いっぱいでこの委員会終わっちゃうのに1万ページ。これ詳細に検討するってむちゃくちゃ大変な話ですよ。

 こういうこと今までもありましたよね。森友学園の関係資料。ギリギリになって出してきた。大量に。他にもありましたよ。去年の入管法。その時に実習生の個人情報、マスクをして黒塗りをして出し、いつもみたいに、黒塗りをして出してくれればいいのに、それもせずに手書きで写せと。野党は普段仕事をしなきゃいけない時間を削りながら一枚一枚写経をするようなことをずっと続けてたわけですよ。あまりにもありえないと言いますか。これ国会の審議をまともにやろうという考えからかけ離れている。もっと正々堂々とやりましょうよという話なんですね。

 この軟弱地盤、ね、関わる地質データを含むこの報告書1万ページを超えるようなものを今、全国の心ある土木技師や関係者の方々が詳細に読み解いていってくれています。これ委員長に求めたいんですけれども、予算が成立した後も、この沖縄問題、軟弱地盤の問題もあります。これひょっとして変更、設置変更の内容というものを軟弱地盤という部分を隠しながら出してたというような疑いも持たれているわけです。なので、予算委員会が終わったとしても、その後沖縄問題として集中の審議をして頂く事をご検討ください。

金子委員長:理事会で協議をさせていただきます。

◆沖縄の県民投票の結果、「真摯(しんし)に受け止める」

 今年2月24日に投開票された沖縄の県民投票では、辺野古沖の埋め立てに反対する人が7割を超えた。安倍首相は3月1日、玉城デニー沖縄県知事と会談。埋め立て中止を求める玉城知事に対して、「真摯(しんし)に受け止める」と答えたものの、工事が止むことはなかった。

 山本議員の言っていることはまったくの正論である。果たしてどこが「不穏当」なのか? 自民党参院議員のお歴々には、山本太郎議員の辛辣な発言を糧にして、方向を間違えないように奮起していただきたい。

<文/HBO取材班>
ハーバー・ビジネス・オンライン
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山本太郎氏、日本母親連盟を支持者の面前でぶった斬り!
沖縄県民投票、結果を捻じ曲げる下地ミキオ議員の呆れた言説とその背景
沖縄県民投票で辺野古基地建設「反対」が7割、43万票。玉城知事、安倍首相やトランプ大統領との対話に意欲
難工事で長期化・費用増が指摘される辺野古基地建設。菅官房長官の「一般的な工法でできる」発言は本当か?
12日内閣委員会で山本太郎がぶつけた、極めて真っ当な正論について


最終更新:3/19(火) 21:57
HARBOR BUSINESS Online

HARBOR BUSINESS Onlineの前後の記事
安倍首相の防大卒業式における改憲意欲表明が「論外」である2つの理由写真 3/19(火) 8:33
攻めの節税。扶養家族の適用範囲は意外と広い! 実家の両親に仕送りしている人は節税のチャンスあり写真 3/19(火) 8:31

沖縄 署名

 

https://secure.avaaz.org/campaign/jp/save_henoko_12/?csyWGab

 

安倍晋三首相、菅義偉官房長官、ならびに玉城デニー沖縄県知事:


"私たち日本の市民は、今年2月24日の沖縄県民投票で示された圧倒的な民意を尊重し、辺野古の米軍基地新設を直ちに中止するよう求めます。辺野古の貴重な自然は、沖縄にとっての宝であり、その決定権は沖縄の人々がもつべきです。沖縄本土に残された沿岸部の貴重な生態系や環境を破壊する上、軟弱地盤のため総工費は青天井と言われるなど、基地新設が様々な問題を抱えているにもかかわらず、何度も民意を無視し、土砂投入により基地新設を既成事実化する首相の方針を、これ以上受け入れることはできません。

投票結果を受け、安倍首相はこうおっしゃいました:「投票の結果を真摯に受け止め、これからも基地負担軽減に向けて全力で取り組んで参ります。」沖縄の人々と共に、私たちはこの約束を果たすようお願い申し上げます。"


先日の沖縄県民投票で、沖縄の人々は改めて明確な意思表示をしました -- 投票者10人中7人が辺野古の米軍基地建設に反対したのです!

しかし、安倍首相は県民の声を完全に無視、辺野古に広がるサンゴ礁や貴重な生態系を徹底的に破壊しようとしています。

今月末にも政府は新たな区域に土砂投入を進める方針で、その面積は、現在埋め立て中の区域のおよそ5倍にも及びます。けれど今ならばまだ、辺野古の自然を守ることはできます。

 

県民投票に法的拘束力はないものの、これは沖縄の人々から日本全国の人々へのメッセージなのではないでしょうか?玉城デニー県知事は、県民の意志を日本政府に届けようと全力を尽くしています。辺野古を守るよう求める意見書にできるだけたくさんの人が署名すれば、辺野古の美しい海を破壊から守ることができるはずです。

 

ご署名の上、キャンペーンを大きく拡散してください!1万人のご署名が集まり次第、Avaazは署名者数と同数の意見書を、署名者のお名前を記載し、玉城県知事への応援のメッセージとして送ります。その上で、辺野古保護を目指し日本中の人々が団結していることを示すため、首相府にも届けます。


投稿日: 2019年3月5日

野田市虐待死 DV受けていた母親が「この子さえいなければ…」と追い詰められる負の連鎖

https://dot.asahi.com/dot/2019021400015.html?fbclid=IwAR0AnCUTsLNVCkv_9dAQE4f6G-rEMVVXkM30-0Dmwzlz7Q_9_mLo1lAFn3M

 

野田市虐待死 DV受けていた母親が「この子さえいなければ…」と追い詰められる負の連鎖
吉祥眞佐緒

2019.2.14 11:23dot.#出産と子育て

 


傷害容疑で千葉県警松戸署から送検された栗原なぎさ容疑者(c)朝日新聞社

 千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で亡くなった事件は、痛ましい事実が徐々に明るみに出ている。14日に心愛さんに対する別の傷害容疑で再逮捕された父・勇一郎容疑者(41)が虐待する様子を、母親のなぎさ容疑者(31)が撮影していたこともわかり、長時間立たせたり、食事を与えなかったこともあったという。

【もうこの笑顔はみられない。亡くなった心愛さんの写真はこちら】

 

 小学校のアンケートで「お父さんにぼう力を受けています」と書いたことをきっかけに、心愛さんは一時保護され、その後は親族宅で生活。しかし、父親からの強い要求や恫喝により市教育委員会がアンケートのコピーを父親に渡したほか、柏児童相談所は虐待のリスクが一時保護解除時より上昇しているのを把握しながら、帰宅を認めていたと報じられている。

 

 父親に虐待される我が子を、どうして母親は守ることができないのか。どうして児童相談所などの関係機関は判断を誤るのか。そして、なぜ悲しい事件が繰り返されてしまうのか。

 DV被害者支援団体「エープラス」代表の吉祥眞佐緒さんは「児童虐待が起きている家庭には、もれなく両親の間にDVがあると考えられる」と指摘する。それらが縦割りで連携できるシステムがないことに問題があると危機感を持つ。

*  *  *


「もうお父さんとは暮らしたくない。お母さんとふたりだけで暮らしたい。でもダメって言われた」

 これは少し前に私の事務所に相談に来たA子さん(30代)の子どもBくん(小学生)の言葉だ。

 

 千葉県野田市の自宅で小学4年生の栗原心愛さん(10)が亡くなり、両親が逮捕された事件の報道を目にして、Bくんのことを思い出した。どうしてこのような悲しい事件が無くならないのか、DV被害者支援の視点から考えていきたい。

 

 A子さんは夫から首を絞められるなどの身体的暴力を受けていたほか、毎日のように家事や育児にダメ出しをされ、怒鳴られていた。DVが始まったのはBくんを出産した直後。結婚当初は夫婦共稼ぎで、出産後も仕事と育児を両立するつもりだったが、夫は家事や育児には全く理解も協力もしないどころか、細かいことにダメ出ししては、A子さんに暴力を振るうようになった。


子ども中心の生活になってしまったことを夫に申し訳なく思い、「もう少し自分が努力すれば夫の気持ちも満たせるようになるかもしれない」と、夫のごきげんを取るような生活になっていった。どんなに頑張っても、夫はA子さんの努力を認めて労わってくれることはなく、それどころか暴力は日ごとにエスカレートしていった。

 

 夫が求めるような家事と育児の両立はA子さんにはとても負担が大きく、

「家のことを完璧にできない自分は、仕事をする資格もない」

 そう思い詰めるようになり、やりがいのある仕事を辞めて、家事と育児に専念した。しかし、仕事をやめたからといって夫からもらえる生活費は増えるわけではなかった。

 

「お前のしつけが悪い」
「家計のやりくりもできないなんてだらしない」

 そういわれると、A子さんは何も言えなくなってしまった。何をやっても認めてもらえず、少しでも夫の気に障れば、容赦なく拳や物が飛んでくる。

「どうしたら夫に怒られないか」

 そればかりが24時間ずっと頭の中を支配した。

 

 しかし、A子さんがどんなにつらくても、殴られて身体が思うように動かなくても、小さなBくんにはA子さんの辛さがわかるはずもない。お腹が空けば騒ぐし、眠くなったらグズる。夫に殴られていても隣で何事もなかったかのように遊んでいるわが子に対して、いつしかA子さんは怒りを向けるようになった。

 

「この子さえいなければ……」

 24時間止むことのない緊張感と恐怖感が、彼女の感情の矛先を歪めてしまったのだ。

 当初、A子さんの相談の目的は離婚やDV被害の相談ではなく、Bくんを施設に預けたい、という趣旨のものだった。

 

 報道によれば、心愛ちゃんの母親は女児が日常的に暴行を加えられていることを知りながら、黙認していた可能性があるという。また、母親は、事件後に知人に対して「仕方なかった」という内容のLINEを送っていたことも明らかになっている。どうして母親が虐待されている子どもを守らないのかと疑問に思う人もいるだろうが、それが難しいのが現実なのだ。


なぜなら、児童虐待が起きている家庭には、もれなく両親の間にDVがあるからだと私は考える。DVとは、必ずしも殴る蹴るなどの身体的な暴力だけを指すものではなく、逮捕された栗原勇一郎容疑者のように、「お前は無能だ。何もできないバカだ」といった暴言のほか、お金の使い方を管理したり、行動の監視、親族や友人との連絡を禁じて孤立させたりする行為も立派なDVだ。しかし、身体的暴力以外のDVは被害者自身も自覚しにくく、第三者にも発見しにくい。

 

 虐待者である父親が、家庭の中で絶対的な権力を誇示するために、または家族を支配するためにあらゆる暴力を使う(使ってもいいと思い込んでいる)というゆがんだ家族観は、それが配偶者に向かえばDV、子どもに向かえば児童虐待という言葉に変化する。問題の根本は加害者が持っているゆがんだ価値観にあり、DVも児童虐待も全く同じであると言える。

 

■父親に押し切られた教委と児相の問題点

 

 柏児童相相談所や学校は、父親の虐待を認識していた。しかし、一度は心愛ちゃんを一時保護したものの、父親の親族に預けることになった経緯や慎重な検討をせずに父親のもとに戻す決定をしたことについては大きな疑問がある。逮捕後数日経ったが、未だに父親は警察の取り調べに対し、「自分の行為はしつけだった」として反省の言葉は出ていないという。今後も捜査が進展するにしたがって、さらなる悲しい事実が出てくるだろうと思うと、胸が痛い。

 

 今回の事件は間違いなく、関係機関の連携不足にあったと思う。当事者である児童相談所をはじめ学校や教育委員会等の関係機関は責任のなすりあいをしたように見える。自分たちが心愛ちゃんを救わなければならないという意識よりも、“しつこくて威圧的でうるさい父親”の対応方法を間違えて、結果的に言いなりになってしまった。

 

 専門家や識者は児童相談所の人員不足を指摘し、関係機関の連携強化や情報共有、学校現場に弁護士や警察OBを配置する人員強化に賛同するコメントが多いが、果たして人員を増やしただけで、本当に問題は解決するのだろうか。


話をA子さんとBくんに戻そう。

 Bくんもかつて、児童相談所に一時保護された経験を持つ。土曜日に持ち帰った上履きがランドセルに入れっぱなしになっていたことに母親のA子さんは激怒して、上履きでBくんの顔を叩き、B君は赤く腫れあがった顔のまま登校。学校からの虐待通告により、そのまま一時保護された。

 

 Bくんの話によると、児童相談所の生活は、決して安心して過ごせる場所ではない。

 職員は子どもを名前でなく番号で呼び、子ども同士の私語は禁止されていたという。服も下着さえも施設が用意したものに着替えなければならず、もちろん携帯電話の使用も持ち込みすらもできない。一緒に保護されている子どもたちは虐待の被害者もいれば、非行で保護されている子もいるわけで、職員は子どもたちのケアというよりも、管理で手一杯という印象を受ける。私語禁止と言われても、職員の目を盗んでいじめもあるという。

 

 子どもがたった一人で保護されて、そこが安心できる場でなければ、多少父親にひどい目に遭ったとしても、慣れ親しんだ家で大好きなお母さんと暮らしたいと思うのは自然だろう。それでも保護してほしいという子どもには、よっぽどの事情があると考えないといけないのだ。

 

 A子さんは自分のしてしまったことを深く反省し、今後は二度と子どもに暴力を振るわないと約束し、Bくんも家に帰りたいと強く希望したため、児童相談所での何度かの面談を経て、早い時期に家に帰ることができたそうだ。しかし、この間に、A子さんの夫は仕事の多忙を理由に一度電話で事情を聴かれただけだったという。児童相談所は、A子さんによる子どもへの身体的虐待だけに注目し、その背景について訊ねることはなかったのだ。

 

 Bくんが帰宅した後、この家族への介入は終了し、案の定A子さんが夫から受ける暴力はエスカレートした。同時にA子さんはBくんへの虐待を止めることができず、いっそ子どもを手放した方がお互いのためなのではないかと考えて、知人のつてをたどって私の事務所に相談に来た。その時にBくんが私に話してくれた彼の気持ちが冒頭の言葉だった。


時、A子さんの思考にはだいぶ危険な偏りがあった。普通の生活がしたいだけなのに、どうして私だけがこんな目に遭うのかと自分の人生を恨んだ。自分ひとりなら、夫から逃れても何とか生きていけると思うけれど、私なんかにこの子を育てられはしない。この子がいなければよかったんじゃないのか……。そう思いつめていた。でもそれは多くのDV被害者がそうなるのと同じで、DV被害の影響によるところが大きいように思う。母親だけを責めるわけにはいかないと私は思う。

 

 児童相談所の介入のきっかけはBくんへの虐待だが、子どもが受けている直近の虐待行為という事象だけでなく、その行為の背景には何があるのか、家族の関係や両親の夫婦関係はどうなっているのかという、家族そのものを大きな枠で見極めていく必要がある。しかし、DV問題と児童虐待の問題は縦割りとなっており、それを繋げるシステムは未だ構築されていないといえる。

 

 児童虐待防止法では、子どもへの直接的な暴力だけでなく、配偶者への暴力(DV)も児童虐待であると定義している。しかも、子どもの面前で暴力を見せることだけではなく、常に暴力的で緊張感が充満する空気の中で生活させることが虐待なのだ。

 

 経験上、被害者がどんなに加害者を怒らせないようにと努力しても、被害者の努力やがんばりで加害者の虐待行為をやめさせることはできない。A子さんは何とかしなければならないと、誰かに相談することを選んだが、栗原容疑者をはじめ、多くの虐待加害者は「自分の“しつけ”は間違っていない」とか、「自分には家庭内で暴力を振るう特権がある」という信念があるので、加害に気づいて自ら誰かに相談することはほとんどないのが実情だ。

 

 DV被害者支援の視点から考えると、今回の心愛ちゃんの事件も、Bくんの虐待加害者として扱われたA子さんの件も、児童虐待の関係者にDVの視点があれば、もっと早い時期に子どもを救うことができたし、DV被害者である母親を救うこともできたはずだ。
海外では、家庭内の児童虐待の問題やDVの問題は“ファミリー・バイオレンス”とも呼ばれ、大きな社会的課題として認識され、各国はそれぞれの取り組みを行っている。虐待に対するとらえ方や対策は国の文化や宗教観によって様々だが、子どもと親の人格は別個のものだとして、子どもの権利が尊重されている。日本では子どもの権利よりも親の権利が重視され、“しつけという名の虐待”が未だに正当化されて堂々と行われている。

 

 幸いBくんは、自分の気持ちを大人に伝える力のある子だった。そのため私達は、お父さんとはいっしょに暮らしたくないが、お母さんと一緒に暮らしたいという希望をかなえるにはどうしたらよいか、一緒に考えた。Bくんとは別に、A子さんの状況を改善するには何が必要かを一緒に考えた。BくんとA子さんは親子ではあるが、それぞれ立場が違うので、ニーズも違う。それぞれの話を、時間をかけてすり合わせていくことで、受けとめてもらえる実感や安心感が気持ちの安定や生きる力につながる。不信感を抱いていた関係者との信頼関係も再構築できるようになり、今は2人で静かに暮らしている。

すぐにカッとなって他者に攻撃的になっていたA子さんは、今では顔つきも変わり、別人のように穏やかだ。

 

「もちろん今も親子ゲンカするし、カッとなることもしょっちゅうあります。でもそんなときには話を聴いてもらえる人が増えたんで、前のように気持ちが追いつめられることはもうないです」

 

 一つひとつの相談に丁寧に対応するには、多くの時間と支援の輪が必要だ。児童相談所の専門職の人員増も最重要課題だが、児童相談所だけが抱える必要はないと思う。児童虐待とDVの関係機関の連携と同時に、行政と民間支援団体との連携が、虐待のない社会づくりの早道だと信じている。そしてみなさんが「しつけ」や「指導」という名の暴力を容認しないことも、引いてはDVや虐待防止につながる社会のうねりになると信じている。(文・吉祥眞佐緒)

 

吉祥眞佐緒(よしざき・まさお)/一般社団法人「エープラス」代表。DV被害を受けた女性たちの自助グループから、2006年に同団体を設立。電話相談や行政機関、警察、裁判所などへの同行、親子カウンセリングを通じてDV被害に悩む女性を自立までサポートする活動を続ける。関東を中心にデートDV防止プログラムや講演活動も。

『続 デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』

 

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伊田広行『続 デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』
(Kindle、増補PODペーパーバック版、2019年3月)

 

 

 

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DV関係の事件の記録が半分の分量あります。
拙著「デートDV・ストーカー対策のネクストステージ」の続編です。


以下目次

 

目次
はじめに 2
1章 DV/ストーカーへの対処 5
1-1 怒りをもたらす考えを根元から変える――シングル単位の感覚 5
(ア)相手と一致する必要はない、と知ること 5
(イ)シングル単位の感覚を知る 6
(ウ)全否定されたと感じないよう、自己肯定の核を育てる 8
1-2 シングル単位の関係 10
1-3 これを実践するかどうかが大事――加害者がまともになっていくイメージ 11
1-4 シングル単位の恋愛観では“愛する人は自分のものではない” 14
1-5 『恋愛のルールなんて、みんなまちがい』 18
1-6  加害者の特徴と、戻りそうになった時に思い出すこと 19
(ア)加害者にみられやすい39個の特徴 19
(イ)よりを戻したくなった時に思い出すこと 22
1-7 DV・ストーカーにかかわる、リベンジポルノ関係・ネット関連の情報 23
(ア)セクストーション 23
(イ)セクスティング 30
(ウ)危険なアプリ、情報抜き取りの問題 32
添付資料  青森県パンフ・親が注意すべき点 45
2章 加害者の考えを扱う 49
2-1  相手と自分の課題の分離 49
2-2 表面の願いとその奥にある本当の願い 51
2-3 認知行動療法とDV加害者プログラム 52
2-4 感情の動員 54
2-5 反省とは何かーー加害者プログラムのあり方をめぐって 56
3章 DVの周辺 60
3-1 心的外傷、学習性無力感 60
3-2  恋愛と友情はグラデーション 63
3-3 誠実さと距離のとり方(秘密)のバランスについて 66
3-4 広い視野で、性や関係性を捉える 70
3-5  被害者が、もてるなら、もっておいたらいい観点 71
4章 DV対処のネクスト・ステージ 74
4-1  恋愛関係もDV法の対象とするのが合理的――従来の法律関係者の見解批判 74
(ア)シェルターのあり方 74
(イ) 小島妙子氏のデートDV理解をめぐって-―恋愛は結婚への途上か 74
(ウ)小島妙子氏のデートDV理解をめぐって-―恋愛は排他的性関係ではないのか 76
(エ)小島妙子氏のデートDV理解をめぐって――性関係拒否がDVの主因か 77
(オ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――同居だけが発見困難で重度なのか 79
(カ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――退去命令を出さないといけないからという転倒 80
(キ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――結婚という形式以外でも認めているという矛盾 82
(ク)調査から浮かび上がる現行規定の矛盾 84
4-2 加害者プログラムの運営について様々な論点 88
4-3 DVという呼称をめぐって――ジェンダー以外の抑圧要因を視野に入れてのDV把握へ 96
4-4 「偽DV」(でっちあげDV)の問題 99
4-5 弁護士の倫理と性暴力 101
4-6  加害者プログラムについて 106
補論 「ジェンダーと貧困の絡み合い――DVを中心として」 109
『DVと貧困の絡み合いを暴く』パンフレット  (2008年作成) 117
資料  DV・ストーカー・リベンジポルノ系 事件一覧 135
奥付 297