安倍元首相と統一教会の“関係”をなかったことにしたい人たちの呆れた論理
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田崎史郎、橋下徹、東国原英夫、古市憲寿、三浦瑠麗…安倍元首相と統一教会の“関係”をなかったことにしたい人たちの呆れた論理
2022.07.13 03:00
2021年統一教会系集会にメッセージを送った安倍元首相
安倍晋三・元首相が銃殺された問題で、容疑者が恨みを持っていたという「宗教団体」である旧・統一教会(現・世界平和統一家庭連合)が11日に会見をおこなったことに伴い、ようやく大手メディアも統一教会を実名で報じ始めた。
そんななか、当初「安倍さんが殺されたのはアベガーのせい」などとがなり立ててきた安倍応援団の面々が、今度は必死になって「安倍元首相と統一教会の繋がり」を打ち消そうと、客観的事実も無視して詭弁を弄している。
たとえば、統一教会による会見直前に放送された11日放送『ひるおび』(TBS)で田崎史郎氏は、統一教会と安倍氏の結びつきについて「強い関係があったとは聞いていない」「(あっても)付き合い程度」と発言。
また、同日放送『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)に出演した橋下徹氏は、“ネットを含めた一部メディアにあった批判を超えた批判が犯行動機に繋がったということであれば、度を超えた批判はダメなんだと成熟した民主主義国家として国民は意識するべき”などとコメントし、今回の事件を政治批判の封じ込めに利用したかと思えば、次にはこんなことを言い出した。
「いろいろ自分なりに調べてみると、もう、根拠あるのかなっていうようなことを、根拠がないだろうと思えるような、そういうことで、この団体(統一教会)との関係が、もう、あることないこと、ないことないこと、ものすごい言われているので、それをもって誤解をしてしまうってこと、そういうことにも繋がっているんじゃないのかなと僕は思ってしまう」
容疑者も供述で触れているように、統一教会系のNGO団体・天宙平和連合(UPF)の集会に安倍氏がビデオメッセージを寄せているのは、動画も残っている客観的な事実だ。しかも、これは別稿できちんと検証するが、安倍元首相、自民党安倍派と統一教会の繋がりは祖父・岸信介氏の代から続いてきたもので、その構造的な癒着を示す証拠も複数ある。
こうした事実を、政治評論家を名乗る田崎氏などは知らないわけがないのだが、田崎氏は「聞いたこともない」とすっとぼけ、橋下氏も「ないことないこと」などと言って“ネットの陰謀論”扱いしたのだ。
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田崎史郎、古市憲寿はすっとぼけ、東国原英夫は「純粋に世界平和を願おうよという動きに賛同」とトンデモ擁護
さらに酷かったのが、東国原英夫氏だ。東国原氏は11日放送『ゴゴスマ』(CBCテレビ)で、容疑者の母親が統一教会に多額の寄付(献金)をおこなっていたことについて、「日本には宗教の自由があるから、その範囲内での自己責任、自主的な信仰」と発言。統一教会をめぐっては、借金してでも献金を迫るという問題が取り沙汰されているというのに、それを自己責任と言い放った。挙げ句、安倍氏と統一教会の関係についても、「政治家は(宗教と)一定距離は置かなきゃいけない」と言いつつ、絶句するような擁護を繰り広げたのだ。
「宗教団体が掲げているイデオロギー、今回(統一教会)は『世界平和』だが、そういったものに賛同される政治家は多い。純粋に世界平和を願おうよという動き、活動等に賛同を寄せられる政治家はいらっしゃる」
あらためて指摘するまでもないが、統一教会は80年代以降、霊感商法が社会問題となり、現在も前述のように献金トラブルが報告されている団体だ。そして、UPFなどのような団体も、統一教会の教義を政治的・文化的に実現する目的で設立され事実上一体なのは自明であり、一部の団体は巨額の献金を集めるための装置としても機能してきた。
にもかかわらず東国原氏は、統一教会のイデオロギーを「世界平和」なのだと喧伝し、賛同を寄せるのは当然であるかのように語ったのである。この東国原氏の主張がまかり通るなら、団体名に「世界平和」という言葉さえついていれば、政治家はどんな反社会的団体や犯罪集団と付き合っても許されることになる。東国原氏がこんな小学生みたいな強弁までして統一教会を擁護する理由はなんなのか。
一方、田崎、橋下、東国原各氏のように客観的事実を「なかったこと」にするのはさすがに無理があると考えたのか、もう少し巧妙なやり口で統一教会と安倍元首相のつながりを矮小化しようとする動きも出てきている。それは、「政治家が宗教団体と仲良くするのは当たり前」「安倍さんと統一教会もよくある付き合いのひとつ」という主張だ。
安倍昭恵氏と親しかった“社会学者”の古市憲寿氏も、このロジックを持ち出していた。古市氏は11日放送の『めざまし8』(フジテレビ)で、「ネットを中心に陰謀論のように、宗教団体(統一教会)と安倍さんの関係がすごく深いんじゃないかってことが議論されてた」と“陰謀論”扱いしたうえ、こんなふうに語ったのだ。
「政治家と日常的に接している人からすれば常識ですけど、本当にたくさんの会とか団体とか組織と仲良くするじゃないですか。だから、今回の宗教組織(統一教会)も、あくまでも安倍さんが付き合ったなかでの、たくさんの会のなかでのひとつに過ぎなかった」
被害者弁護団の再三の抗議を無視し、統一教会系団体にメッセージ送った安倍元首相
前述したように、安倍元首相と統一教会の関係は「よくある政治家と宗教団体のつきあい」のレベルではないし、岸信介の時代から綿々と続く構造的なものだ。それを、古市氏は何を根拠に「たくさんの付き合いのなかのひとつに過ぎなかった」などと言い切っていえるうのか。
というか、百歩譲って安倍元首相と統一教会の関係が「儀礼的な付き合い」だったとしても、統一教会はただの宗教団体ではなく、悪徳商法や勧誘が社会問題化し、裁判所も違法性を認めている団体なのだ。いくら政治的主張が合致して、選挙で支援してもらったとしても、政治家がそんな宗教団体と儀礼的にでも付き合っていい道理はない。
しかも、安倍氏は一国の首相だった人間なのだ。そんな地位の人物が反社会的団体の集会にお祝いのメッセージを贈ったら、それこそその団体のやり方にお墨付きを与えてしまうことになるのは自明だろう。
実際、全国霊感商法対策弁護団が会見でも明らかにしたように、統一教会にエールを送る安倍元首相ら自民党政治家の行為に対して、被害者弁護団は再三にわたって抗議していた。ところが、安倍元首相はそういう声を無視して、UPFの集会にビデオメッセージを贈ったのである。
古市氏はなぜそれが問題がないと言うのか。相手が詐欺集団や暴力団だったとしても、「お祝いのビデオメッセージを送るくらいなら、政治家にとって普通の付き合いだからかまわない」とでも考えているのか。
しかし、この「政治家と宗教団体が付き合うのは普通」という詐術は古市氏だけでなく、産経新聞の阿比留瑠比氏や有本香氏ら安倍応援団、ネトウヨ連中もここにきて一斉に口にし始めている。
極右思想に取り憑かれ改憲運動に邁進している彼らにとっては、統一教会は強い味方であり、「霊感商法」など取るに足らない話ということなのだろうか。
三浦瑠麗は “安倍元首相と統一教会の関係”を「容疑者の妄想」扱いし検証封じ込め
まったくその姑息な矮小化の手口には呆れるしかないが、しかし、今回の「安倍元首相と統一教会のつながり」を封じ込める言説の中で、もっと悪質だったのが、三浦瑠麗氏だ。三浦氏は本日12日放送の『めざまし8』で、こう発言した。
「こういう事件が起きて、因果関係として報じることは、安倍さんに責任の一端があったかのような、そういう印象操作になっている」
「しかも、政党のリーダーも含めて各所でそのようなことを言い出している人がいる。私はこれは非常に由々しきことだと思っている」
「因果応報的な報道は、犯罪者に加担するもの。彼の妄想に加担してはいけない」
あらためて指摘するまでもないが、安倍氏と統一教会の関係をもって殺人が肯定されるはずがなく、当然だが、「因果応報」などと報じているメディアもひとつもない。すべてのメディアは、「殺人という行為は絶対に許されない」というセリフを過剰なくらい繰り返しているし、安倍元首相や自民党と統一教会の関係については、ほとんど深掘りしていない。
ところが三浦氏は、統一教会の話題を取り上げること自体を「因果応報的な報道」「容疑者の妄想への加担」と決めつけ、一国の元首相を銃撃した容疑者が「統一教会との関係」が犯行の動機だと語っているのに、一切報じるな、というのだ。これが仮にも、学者を名乗る人間のセリフなのか。
あらためて言うが、今回の銃撃の背景に、違法な行為をおこなう統一教会を行政や政治家が放置し、安倍元首相はじめ自民党が癒着してきたという問題があるのは紛れもない事実だ。全国霊感商法対策弁護団も会見で、安倍元首相がビデオメッセージを贈ったことが「統一教会のために人生は家庭を崩壊、あるいは崩壊の危機に追い込まれた人々にとって、大変な衝撃を与えるものでした」と語っていたが、「自分たちはこんなにひどい目にあったのに、政治は何もしてくれないどころか、統一教会を応援している」と感じた絶望感が容疑者を凶行に走らせた可能性は非常に高い。
だとすれば、第二、第三の怨恨による政治家襲撃を起こさないためにも、この機会にきちんと、自民党と反社会的な宗教団体の関係にメスを入れておく必要があるのは当たり前ではないか。三浦氏のように、真実に蓋をしようとする態度は逆に、反社会的商法の被害者の孤立を深め、憎悪を生み出す土壌を温存することにしかならない。そういう意味では、犯罪の助長に加担しようとしているのは、むしろ三浦氏のほうだといってもいいほどだ。
ここまでくると、もうおわかりだろう。安倍応援団連中はもっともらしい理屈をつけているが、実際は、自分と仲の良かった安倍元首相と自民党を守るために、事実関係を隠したいだけなのだ。
何度でも繰り返すが、統一教会と安倍元首相、旧清和会、そして自民党の間には、“ただの付き合い”レベルではない構造的な癒着があり、深い疑惑がいくつもある。本サイトも別稿であらためて検証するつもりだが、マスコミは安倍応援団の詐術やスリカエに騙されることなく、この問題を徹底的に追及する必要がある。
(編集部)
伊藤詩織さん問題と、安倍に抜擢された中村格・警察庁長官
・最高裁・2022年7月、伊藤詩織さんの性被害、元TBS記者への賠償命令が確定
ジャーナリストの伊藤詩織氏(33)が性被害を受けたと訴えて元TBS記者の山口敬之氏(56)に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は山口氏の上告を退けた。山口氏が同意なく性行為に及んだと認定して約332万円の賠償を命じた二審・東京高裁判決が確定した。2022年7月7日付の決定で、第一小法廷は憲法違反などの上告理由がないとだけ判断した。
二審判決は山口氏の反訴について、伊藤氏が著書などで「(山口氏が)デートレイプドラッグを使った」と表現した点は真実と認められないとして、伊藤氏に55万円の賠償を命じた。第一小法廷は伊藤氏の上告も退け、二審が確定した。
二審判決によると、伊藤氏は2015年、就職先の紹介を山口氏に求めて都内のすし店などで飲食した後、ホテルの部屋で、酒に酔って意識がない状態で性行為をされた。山口氏は「(伊藤氏が)誘ってきた」と反論したが、伊藤氏が直後に知人や警察、病院に被害を伝えていたことなどから、判決は「信用できない」と退けた。
東京地検は16年、準強姦(ごうかん)容疑で書類送検された山口氏を嫌疑不十分で不起訴処分としている。
伊藤氏は17年に記者会見して被害を公表。実名や顔を出して発言を続け、性被害を告発する「#MeToo」運動の高まりに影響を与えた。性交に同意がないだけでは処罰されない現状の刑法の問題点も訴えた。
一方、ネットやSNS上で激しい中傷やバッシングを受け、投稿者らに賠償を求める複数の訴訟を起こしている。
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警察庁長官「問題あった」と認める 安倍元首相の警護警備「基本の怠りいくつも」の指摘も
東京新聞 TOKYO Web 2022年7月12日 20時58分
安倍元首相の警備体制について記者会見する中村格警察庁長官=東京・霞が関の警察庁で
安倍晋三元首相への銃撃事件から4日、警察組織のトップが初めて記者会見し、警護・警備に問題があったことを認めた。警護対象となっていた首相経験者が襲撃され、死亡するという失態への批判は大きく、警察当局は早急な対応を迫られている。
12日午後5時半から警察庁であった記者会見。中村格長官は苦渋の表情で「重大な結果を招いた。警察庁長官としての責任は誠に重い」と語った。ある警察幹部は「警備は結果責任。長官の処分は免れないだろう」と話す。
◆内部に検証チーム設置
12日に警察庁に設置された「検証・見直しチーム」は、検討項目の筆頭に警護・警備の「体制と配置」を挙げた。
8日の事件当時の映像などでは、演説中の安倍元首相の背後から近づく山上徹也容疑者(41)に、現場の警察官たちが気づいていなかったようにも見える。
当日の体制の詳細は明らかにされていないが、警護計画は奈良県警が作り、警視庁から警護員(SP)一人が派遣されていた。現職ではない元首相については特段の事情がない限り、警察庁が都道府県警に警護計画の報告を求めてこなかったことの是非も問われる。
また、発砲の間隔は1発目と2発目で約3秒あったにもかかわらず、1発目の後に安倍元首相をかばう対応が不十分だったとの指摘があり、緊急時の対処が適切だったかも検証される。
◆専門家「背後のみを監視する警察官がいれば」
米国で要人警護やテロ対策の訓練を受けた警備会社「リスクコントロール」(東京)の伊藤慎一社長は「基本の怠りがいくつも重なった」と分析する。
伊藤氏が最も問題視するのが警察官の配置状況。「安倍元首相の左右に警察官が立っていたが、前方の聴衆の監視が中心になり、背後を十分に警戒しきれていなかったのではないか。背後のみを監視する警察官がいれば、容疑者は犯行に踏み切れなかったはずだ」と話す。
SPの立ち位置も元首相と「離れすぎていた」とし、「通常は要人と1~2歩の距離にいなくてはいけない。そうすれば、2発目の前に立ちはだかったり、元首相を突き飛ばすなどして守ることができた可能性がある」と指摘する。
警察庁の検証・見直しチームについて、「二度とこのような結果を招かないよう、警備計画や配置が適切だったのか、しっかり検証してほしい」と求めた。(佐藤大、山田雄之)
◆警察庁長官「重く受け止める」会見で進退には言及せず
安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件を受け、警察庁の中村格長官は12日に記者会見し、「警察として警護・警備の責任を果たせなかったことを極めて重く受け止めている。ざんきに堪えない」と述べた。
警察庁は同日、露木康浩次長をトップとする「検証・見直しチーム」を設置。事件時の体制や配置などを検証し、警護・警備の在り方を抜本的に見直し、検証結果は8月中に取りまとめる。
中村長官は12日の臨時の国家公安委員会後に会見を開き、「警察庁は都道府県警察を指揮監督する立場。現場の対応のみならず、警察庁の関与の在り方にも問題があった」とした。
自身の進退について問われ「今の段階で私が果たすべき責任は、検証と見直しの作業に全身全霊を向けることだ」と述べた。
安倍政権のひどさを忘れてはならない。国葬などとんでもない
安倍政権のひどさを忘れてはならない。国葬などとんでもない
安倍元首相が殺害されたことはあってはならない暴力である。
しかし、そのこととは別に、安倍政権が行った政治のひどさや右翼的・国家主義的・軍国主義的性格を適切に振り返らないのはおかしい。トランプと同じく国を敵味方に分断し、社会を右傾化軍事化させた人物を、国葬にするということ自体が右派の政治的な試みである。それには賛成できない。統一教会に近いことも偶然ではなく、根っからの確信的右派を美化すること自体が政治的である。
安倍は、賛否両論のあった右翼政治家、国家主義者であり、トランプやプーチンと近い思想の人であり、ネトウヨに人気のあった政治家であり、安保法制など右翼政治を強行採決を乱発して推進した人物であり、モリカケサクラなどの不正に居直った人物であり、ウルトラナショナリストと海外でレッテルをはられる人であったことを隠蔽するのはおかしい。
安倍は、統一教会に近く、日本会議の中の中心人物というように明確な右翼である。その安倍の暴君ぶりによって、慰安婦問題でひどいことをやり続けた。森友問題での公文書改ざん、赤木さんが、入管差別体質によってウィシュマさんが、安倍のちょうちん持ち記者によって伊藤詩織さんが傷つけられた。腐敗したオリンピックを強行して大きなツケを残している。沖縄には基地押し付けを強行し、辺野古移設を止めない。原発事故があったのに再び原発推進をしており、放射能から逃げた人を放置し原発神話の責任も取らない。コロナで非合理で弱者切り捨ての対策をとってきた。家族単位で国家主義、自衛隊の軍隊化で「非武装、中立、専守防衛」を捨てて憲法改悪を進めてきた。分かりやすく軍事費倍増まで言い出し、核のボタンを日本が持つこと、先制攻撃正当化まで言い出した。
なぜこの人物を、「皆がたたえる人だ」と言えるのか。新自由主義的なスタンスでよく発言する発言する発現する「ひろゆき」こと西村博之も、安倍の国葬に賛成という。自分の頭で考えろというようなことを言いつつ、こういう問題になると国家という権威にひれ伏す人だと分かる。
- 「#安倍晋三の国葬に反対します」ハッシュタグ が立ちあがっているが これを攻撃する動きもある。これほど賛否ある偏った人物の国葬に私も反対である。しかし勲章も国葬も国民栄誉賞もまさに政治である。そういうものに無批判な人の多さにあきれる。喜んで勲章を受け取る人がいるが、私は情けないな、主流秩序べったりだなと思う。
以下、ほんの一部だが安倍のしたことがすぐに思い出されるもの
https://lite-ra.com/2015/05/post-1145.html
https://lite-ra.com/2019/01/post-4466_3.html
安倍サマをかばいまくった御用ジャーナリスト大賞発表! 10位から6位に有働由美子、立川志らくなど新顔が続々2019.01.01 07:42
https://lite-ra.com/2019/01/post-4465.html
https://lite-ra.com/2021/09/post-6019.html
https://lite-ra.com/2015/12/post-1776.html
- 安倍政権の失政・問題点まとめ
https://lite-ra.com/2017/07/post-3295.html
- 歴代ワースト総理・安倍晋三が犯す日本史上最大の犯罪
――担当編集による著者インタビュー【中篇】
https://diamond.jp/articles/-/79227
https://lite-ra.com/2022/05/post-6191.html
https://lite-ra.com/2022/07/post-6207.html
https://ameblo.jp/ayuiso/entry-12700181021.html
https://lite-ra.com/2015/06/post-1199.html
https://lite-ra.com/2019/12/post-5172.html
https://lite-ra.com/2022/04/post-6183.html
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個人加盟ユニオン
労働に関する相談を受けたり、学生さんに労働について話すときには個人加盟ユニオンってのがあるんですよと伝えます。
東京で活躍している個人加盟ユニオン(プレカリアートユニオン)の動画で、
ユニオンってどう言う感じかわかるものがあるのでご参考までに紹介しておきます。
各種相談員、カウンセラーの方なども、これはぜひしておくべき知識と思います。
https://www.youtube.com/watch?v=w-nqkouYY4o
トランスジェンダーの権利を守るユニオン
トランスジェンダーの尊厳を歌った歌と組合員の思い
Trans Rights Are Human Rights トランスジェンダーの人権・プライドのためのメッセージ
中絶の配偶者同意規定はカップル単位の問題
シングル単位の理解の一つ
この問題は私が30年前から言っている問題で、カップル単位批判が分かっているか、シングル単位の理解ができているかどうかの問題です。
2回に一回は応じるべきというセックスの問題と類似です。結婚関係(交際関係)なら、セックスする権利がある、自分御の欲求は大事にされて当然だ、こっちも相手のことも尊重するから相手もこっちの権利を尊重すべきだ、と思って、平等に譲り合うべきで、まったく応じないのがおかしい、と考えるのが、自他の区別がついておらず、カップル全体で考えてしまうカップル単位の考えです。
同じように、男性の精子があって子供ができるので、子どもは自分のものでもある、「●家」の財産である、だから男性‘(家)の同意なしに中絶するのは、男性(○家)のものを勝手に処分する勝手な行為だと考えて「同意が必要」とされてきたということです。家父長制・家制度・男性中心主義的な考えの名残です。シングル単位で考えれば、中絶に男性の同意がいらないことが分かります。子供を産んでほしいと思っても、女性が嫌だといったら無理強いはできないのは当然です。
「経口中絶薬」という新しい問題でも、男性の同意がいるなんて時代錯誤です。
中絶の配偶者同意規定、廃止を 「女性の自己決定権を奪っている」 研究者・助産師ら、8万人署名提出
朝日新聞2022年6月28日 5時00分
人工妊娠中絶に際し、配偶者の同意が必要な母体保護法の規定は、女性の性と生殖に関する自己決定権を奪っているとして、研究者や助産師らでつくる「もっと安全な中絶をアクション」が27日、厚生労働省に約8万2千人の署名を添えて規定の廃止を要望した。
母体保護法は中絶できるケースについて、妊娠の継続や分娩(ぶんべん)が身体的、経済的に困難な場合や、強制性交による妊娠などに限定。そのうえで、医師が本人と配偶者(事実婚を含む)の同意を得ると定めている。
中絶に配偶者同意が必要なのは現在、10余りの国・地域とされる。一方、日本は国連の女性差別撤廃委員会から配偶者同意の規定を廃止するよう勧告を受けたが、見直しの議論は進んでいない。
承認手続き中の経口中絶薬をめぐっても、厚労省が今年5月の国会で「母体保護法の規定に基づき、原則、配偶者同意が必要」と答弁。SNS上で「薬を飲むことすら、女性が自分で判断できないなんて」などと異論が広がっていた。
同アクションのメンバーで金沢大非常勤講師の塚原久美さんは、規定廃止への訴えについて「安全な中絶は女性の権利。日本では原則、配偶者の同意がないと中絶できない。女性が自分の体に関わることを自分で決められないのはおかしい」と強調した。要望後、厚労省担当者から「国民の間でも様々な議論がある」との回答があったという。
支援団体からも、経口中絶薬に配偶者同意が必要とされていることに心配の声が上がる。助産師でNPO法人「ピッコラーレ」の中島かおり代表理事は「相手と良好な関係の人ばかりではない。配偶者と意見が異なる、同意書にサインしてもらえない。こんな場合を考えてほしい」と話す。
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『加害者プログラム実施における「加害者変容後の支援のあり方」について』
『加害者プログラム実施における「加害者変容後の支援のあり方」について』(Kindle版電子書籍 2022年5月、ペーパーバック版書籍2022年6月)
著者 伊田広行 (イダヒロユキ)
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加害者プログラム実施における「加害者変容後の支援のあり方」について | 伊田広行 | 社会学 | Kindleストア | Amazon
ISBN: 9798832171098
出版社名: Independently published
内容
2-3 内閣府の「留意事項」(ガイドライン)の問題点... 12
3 DV の基本認識と実際のパートナー関係の多様性... 27
3-1 家庭内の「諸問題=もめごと」には多様なものがある.. 27
3-2 DVの基本認識とジョンソンの「性行動をとる子供の分類」... 32
3-3 筆者による「パートナー関係における問題言動」の分類... 33
3-4 DV対策・支援の充実を目指しての現実認識... 41
4 多様な関係に臨機応変的にかかわるときに、「忘れてはならない点」. 43
5-4 家族療法とDV支援――システムとしての家族というとらえ方... 83
5-6 被害者も変わることが大事――被害者の変化をもたらす関わり... 100
5-7 多様性が求められる後期支援のあり方 (ここまでの話の再整理)... 124
5-8 実例で考える「従来とは違う支援」―― 相互に問題がある例や面会交流などにかかわる支援例... 139
紹介文
本書は、DV加害者プログラムを通じて見えてきた新しい課題についての著作である。
DVに対する社会の支援として、ようやく加害者プログラムをいれた対応がはじまろうとしている。
今後、行政が加害者プログラムにかかわり始める予定であるので、加害者プログラムで「加害者が変容した後の支援」についても今後整理していく必要がでてくるであろう。本稿は、その一助となるよう、先行的にプログラムを実施してきた経験を踏まえて提起するものである。
加害男性が1年以上プログラムに参加して反省して一定変容した場合でも、夫婦関係の修復が困難な場合が多い。そこで本書では加害者が1年(約50回)以上のプログラムに参加し続けて一定の変容を遂げた後、当該パートナー関係に対してどのような支援を行うことが必要かについて検討した。そこには、家族療法、オープン・ダイアローグ等の知見も付加した。
検討の結果、実際のパートナー関係の多様性に臨機応変的にかかわること、特に加害者プログラムに一定参加した後の支援の仕方について、それを「後期支援」と名付け、家族全体にシステム的観点でかかわることや「前期支援」と対応を変える必要性などを示した。
DV被害者にとって、別れること、別れさせられることだけが利益ではないので、加害者プログラムをいれ、被害者の安全確保及び選択肢を増やすことが重要である。別れて貧困(ワンオペ育児の大変さ含む)が多い現実のなか、被害者にとって総合的に見て最も“まし”な現実的な落とし所をみつけていくためにも、単純な因果関係のみでDVを捉えるのでなく相互循環的に関係性をとらえての後期の支援が求められている。
加害者プログラムを経由させての後期の支援を考えた場合、「パートナー間の問題言動の7段階」の各段階に応じて、時には心理的アプローチ、フェミニスト・アプローチに加えて、家族システム的なアプローチ(それにもとづく、従来フェミニスト系ではタブー視されていた家族療法、カップル・セラピー)も取り入れる必要があると判断した。
具体的には、DVが絶対的に犯罪的悪事であることや過去に犯したことの責任を取ることや被害者中心主義も踏まえつつ、各状況・各関係に応じて、被害者支援の充実のために家族システム的な視点も入れて、今の問題状況の改善策を夫婦双方への支援及び夫婦同席スタイルで一緒に考えていくことは有効であると主張する。
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「安倍政権を支持し、安倍が仲良くしていたトランプやプーチンにも親近感を持っていた人が日本に多かった」という問題
トランプの正体が、さらに明らかになっているが、米国でも日本でも、トランプを少しでもマシと思う人がまだまだいる問題。
プーチンを信じるロシア国民、習近平を支持する中国国民を笑えるか。
安倍首相はプーチンとも、トランプとも異常なほど仲良くしていた。その安倍を批判できなかった日本。日本の国民の質がそこに出ている。反体制記者を毒殺・暗殺し、クリミア侵攻し、LGBTQs弾圧をしていたプーチンを欧米は批判したのに、日本の安倍はニコニコしてプーチンと握手し、歓談し、ロシアの冬季オリンピックにはせ参じた(各国首脳はボイコット)。
ロシア侵攻で、和平派と正義派という視点での調査さえない日本。一面的なプロパガンダ的な情報が多く、それに無批判な人が多い日本。
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いま明らかになっていること。
トランプ氏は自身の支持者が議事堂を襲撃する可能性を認識しながら、選挙は不当だ(「選挙が盗まれた」)と自らの主張を繰り広げていた。
さまざまな州で選挙に不正があったとして訴訟が起こされたが、結局選挙結果を逆転させることはできず、いずれもトランプ氏側の敗訴に終わっている。
トランプ氏は、選挙結果覆すよう前副大統領ペンス氏に要求していた。
トランプ前大統領が2020年の大統領選の結果を覆すようペンス氏に要求したが、ペンス氏は自分にはそのような権限はなく、違法行為になると何度もトランプ氏に伝えていた。
トランプ前米大統領が2020年12月に司法省首脳部に対し大統領選の結果を覆すよう圧力をかけ、要求に従わなければ更迭すると脅していた。それを示す、当時副司法長官代理だったリチャード・ドナヒュー氏の手書きメモが公開された。メモによると、ジェフリー・ローゼン氏は司法長官代理に任命された数日後の2020年12月27日にトランプ氏に対し電話で「司法省が選挙結果を変えることはできないことを理解してほしい」と伝えたが、トランプ氏は「選挙は不正だったと言うだけで、あとは私と共和党議員に任せればいい」と述べたという。また、トランプ氏はローゼン氏を更迭し、後任に同省民事局のジェフリー・クラーク司法次官補代理を起用すると脅したとした。
ニューヨーク・タイムズ紙は2021年1月、クラーク氏がトランプ氏と共謀してローゼン氏を追放し、同省の権限を用いてジョージア州の大統領選挙結果を覆すことを計画していたと報じていたが、メモで裏付けられた。
下院行政監視・政府改革委員会がやり取りを記録した文書を公開した。それによると、トランプ前米大統領と側近(大統領首席補佐官マーク・メドウズ氏、前政権の意を受けた弁護士)らが、2020年の大統領選に不正があったとの理由で結果を覆そうとして当時の司法省の抱き込みを図ったものの、同省首脳部がきっぱりと断り、そのうちの1人はトランプ氏の主張を「全く狂気の沙汰」と切り捨てていた。昨年12月23日まで司法長官だったウィリアム・バー氏と残りわずかの任期を引き継いだジェフリー・ローゼン氏がいずれもトランプ氏の根拠のない主張に同調しないと決断した形。
しかし、米国ではいまだトランプを信仰するような人が多い。大統領選挙結果を覆そうとした行為について、米国の2022年の調査では、トランプ氏が違法行為を行ったとする割合は46%、違法行為ではないとする割合は48%と意見が分かれている状態。共和党支持者は90%が違法ではないとしている。
トランプを支持する人たちは、ロシアで-チンを支持する人と同じ。この両方と仲良かった安倍を支持する人がいる日本。
つじもと清美さん、国会議員として躍してほしい
先ほど「要 友紀子(かなめ・ゆきこ)」さんをお勧めしましたが、もう一人、
もちろん、昔から最も尊敬する政治家の一人である辻元清美さん(つじもと清美)も、今回、参院選比例代表に立候補したので、名前(つじもと清美)を書いてあげてほしいです。
立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組 それぞれふえてほしいです。
戦争へ近づく時代です。ロシア侵攻の中で一層ナショナリズムに多くの人が取り込まれ、軍事主義に取り込まれ、憲法を大事にすることがむつかしいというとんでもない状況です。
だからこそ、魂のある政治家を一人でも増やしたいです。
米国ドラマ「サバイバー」があり、そのリメイク版韓国ドラマ「サバイバー 60日間の大統領」があり、国家のリーダーのむつかしさ、ある種のリアルを描いてます。
私は主流秩序論で民主主義政治や選挙の限界、メディアの主流秩序への従属を指摘し、これら政治を使う娯楽作品を通じても、だから政治はだめだな、と思わずにはいられません。政治には嫌悪感をもち、そこに私は期待できませんが、仕方ない。ましにするには、リアリズムの中での政治もいるでしょう。
選挙のときにはましな政治家を選ぶしかない。ただ大きな流れのなかで深い問題(主流秩序の中に取り込まれている)があるので、小手先で選挙頑張っても限界があります。
それでも、それぞれ他のところで皆が踏ん張ると同時に、選挙でも、できることをするしかない。
とりえず、立憲民主党という政党名でなく、辻元さんの名前を書いてもらうことがいいかなと思います。ご検討ください。
( 注:投票用紙は2枚あり、1枚目は都道府県代表を書く。
二枚目(白色)は全国比例代表を書くもので、政党名か、個人名を書きます。辻元さんという個人名を書くことでその人が当選しやすくなります)
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辻元清美さん「人の声をいっぱい聞ける今は学び直しのチャンス」
2022/6/5 08:45(最終更新 6/5 10:11)
辻元清美さん
「小学校の低学年のころは転校ばかりでしたから友達もできないし、人前で自分の名前も言えない引っ込み思案の子どもでした」
国会で多くの政治家と舌戦を繰り広げてきた論客の辻元清美さんからは想像もつかない。
影響を与えてくれた恩師たち
「父の仕事の都合で、関西では覚えてるだけでも大阪の阿倍野、古市、玉造、堺、高槻、生野、新大阪と転々としました。今も年老いた両親と高槻に住み続けています」
人見知りだった辻元さんの性格を変えたのは、小学校3年の時の担任に、いきなりプールに放り込まれたのがきっかけだった。「突然、性格が変わったんです。どんどん活発になっていって、学校が楽しくなっていった」
校区の関係で大阪の名家の子どもたちばかりの小学校にも通っていたころ、学校から呼び出された。このレベルじゃ進学は難しいと母親が言われたのが悔しかった。
「同級生は家庭教師や塾に通っていたけど、わが家は貧乏で通えない。仕方なく教科書をひたすら暗記しましたよ。いくら読んでもタダやしね。そうしたら成績がオール5になって、いつの間にか優等生になってました」
社会の不条理に挑んだ青春
国際交流を目的に毎年多くの若者が参加するピースボートは、辻元さんが学生時代に立ち上げたNGO(非政府組織)だ。
当時、予備校で英語教師として教べんを執っていた小田実氏(作家・評論家)との出会いが辻元さんにとって転機となった。
「彼の著書『何でも見てやろう』を高校時代に読んで感銘を受けていたので、予備校に入ってすぐに会いに行きました。多くの社会問題に対して、何とかしたいという漠然とした思いが私なりにあったんでしょうね。小田さんの活動のお手伝いを経て、大学の同級生とピースボートを立ち上げました。経理関係から寄港国の交渉まで粘り強くやりましたよ」
交流船を寄港させる交渉で各国の担当者と渡り合い、その中には後に中国の国家主席となる胡錦濤氏もいたというエピソードからも、物おじしない行動力がうかがえる。
思いもよらなかった政界進出
「ピースボートの日々の仕事に疲れ果てていたんでしょうね。突然、じんましんが全身に発症しました。とにかく生活を変えないとあかんと思ってたんよね」
社民党党首だった土井たか子さんに政界へ誘われたのはそのころだった。「当選するなんて思ってなかったけど、土井さんのアシスタントでもやって、じんましんを早く治そうという軽い気持ちやったのに、当選してしまった。国会議員になった途端にじんましんも消えちゃいました」
高槻の自宅に戻れば、夜中でも断捨離を断行して捨て過ぎることも。「今の趣味といえるのは、断捨離しまくることと、うどんの食べ歩きかな」。遊説で全国を回る時や、ここ一番の勝負時には、必ずうどんを食べるという。
「うどん食べると、なんか頭がようなる気がするねんな」
今は全国を回ってさまざまな人の意見を聞けるのがとても刺激的だという辻元さん。予備校に通っていたあのころに戻ったと感じている。よくしゃべる高槻の辻元さんは、まだまだ休めそうにない。(取材・文 石原卓)
つじもと・きよみ 1960年、奈良県生まれ。96年、衆議院選で初当選。NPO法、被災者生活再建支援法など数々の議員立法の成立に尽力。民主党・鳩山由紀夫内閣にて国土交通副大臣を務め日本航空の再建にも取り組んだ。2021年の衆院選で落選。現在、立憲民主党参議院比例第20総支部長として、全国を飛び回る毎日を過ごしている。
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おすすめ! 要友紀子さんの動画
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友人である
要 友紀子さん
ナイトワーク、セックスワーカーの権利擁護を訴えています。
彼女に国会議員になってほしいです。
以下で分かりやすい動画見れます
https://www.facebook.com/yukiko.kaname/videos/593190562429061/
日本マスメディアで初めて、ウクラナ国内の「異論」を紹介!?
日本マスメディアで初めて、ウクライナ国内の「男子出国禁止への 異論」を紹介!?
一般論とか一部論者の意見はとどいていたが、一般庶民の中の「異論」を具体的に取材で紹介したのは、日本マスメディアで初めてではないか。
私には、ようやくこうした報道が出てきたかという思いがある。そうであるはずなのに、そうした「異論」を言う声が聞こえてこないことがおかしいし、そうしたことを取材しない、報道しないことが、初めから「ウクライナ政府、ゼリンスキーは英雄で正しい」という視点にたった偏向報道だと感じていたかrらだ。ウクライナ国内の少数派、政権批判派、戦争(武力抗戦主義)反対派、ナショナリズム反対派などがいるという視点で取材していないという問題だ。
- 2022年6月9日朝日記事
「前線に立たない自由」は ウクライナ出国は「恥」、届いた中傷:朝日新聞デジタル https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S15319443.html?iref=sp_ss_date_article
(ウクライナ侵攻)出国禁止に異議、2.7万人署名 「前線、男性すべて役立つわけでは」:朝日新聞デジタル
https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S15319458.html?iref=sp_ss_date_article
- 上記・記事からの情報のポイント。
戦禍のウクライナで、出国する自由や「前線に立たない自由」を求める市民たちがいる。ロシア軍の侵攻後、18~60歳のウクライナ人男性の出国が原則禁じられていることは、「自由や民主主義の原則に反する」と訴える。
ウクライナ国籍のオレクサンドル・ディウバノフさん(30)は、ラトビアの家具製造会社に3年勤めていたが、息子(2)がラトビアに住み続けるための行政手続きをするために、2月20日、がウクライナに一時帰国した。その4日後、ロシアが侵攻したため翌25日のラトビア行きの便はキャンセルされ、男性の出国が制限されたため、ラトビアに戻れなくなった。
ウクライナでは総動員令が発令され、18~60歳の男性国民は招集の可能性に備え、国を離れることができなくされた。
ディウバノフさんは出国しようと、30時間かけ西部のポーランド国境の検問所へいって、出国しようとしたが、出国を許されなかった。もともとラトビアで住んでいたのだということを説明し、他とビアでの雇用契約、マンションの購入証明書、滞在許可証などを示したが、考慮されなかった。国境警備隊は個人的事情に一切興味を示さず、一律に男性の出国を制限した。
それ以来、中西部ビニツァ州の田舎に安アパートを借りて暮らし、戦争が終わるのを待っている。ラトビアの勤め先からは、6月まで給料を7割カットすると通告された。仕事は、製品に使う木材などに不適切な化学物質が含まれていないか、検査すること。テレワークはできない。このままでは解雇され、滞在許可証も失効し、ラトビアの妻子もラトビアにいられなくなることを心配している。
ディウバノフさんは、自身は鉄砲を撃ったこともないため、志願して前線に行くつもりはない。なぜウクライナに残らなければならないのか、と取材に答えた。
2年前から米フロリダ州のIT企業に勤めるアドレイさん(36)も事情は同じで、2月上旬、キーウ近郊に暮らす父が亡くなり、18日に一時帰国した。以来、出国がかなわず、キーウで友人のアパートに暮らす。「これではまるで奴隷だ」という。
SNSで苦境を訴えたところ、寄せられたのは、「兵士として戦え」「恥を知れ」という意見だった。
また、南部オデーサの弁護士アレクサンデル・グミロフさん(42)は、男性の出国が原則禁じられていることはおかしいと考えたため、5月下旬、男性の出国を認めるよう求める請願書を、ゼレンスキー大統領あてに提出した。「全員が銃を持って塹壕(ざんごう)にこもるべきではない」「出国禁止の解除を」などとつづり、ネットで2万7千人以上の署名を集めた。グミロフさんは、軍事訓練を受けたことのない市民もいるため「すべての男性が前線で役に立つわけではない」、「道路にバリケードを築くとか、医療や補給をサポートするとか、個人の特性にあわせた貢献の方法がある。そもそも、戦争にはお金がかかるのだから、稼げる人を働かせることだって大事だ」という。
それにたいして、ゼレンスキー氏は請願書について、「地元を守るために命を落とした息子を持つ親たちに、この請願書を示せるのか」と批判したという。(地元メディアによる)
4年前からポーランドに暮らしていたオレクシさん(28)は、3月上旬、自国を救おうと、英国の友人とともに、車で入国した。2014年に親ロ派勢力がウクライナ東部で武装蜂起した際も、志願入隊していた。入国後、給料は受け取らない代わりに、いつでも除隊できるという契約書にサインした。軍医らを保護するのが任務で、首都キーウ(キエフ)郊外のイルピンなどに派遣された。ロシア軍が制圧をめざす東部に派遣された夜は「到着してからの4時間で3人が死んだ」。 5月上旬、「仕事に戻るときだ」と除隊した。
勤務先のポーランドのIT会社は、休暇扱いになっていた。息子(7)と専業主婦の妻が待つ。 だが、出国を禁じられた。当局から出国許可が下りるのを待つ以外に、残された道は二つ。
一つは賄賂だと明かした。相場は1人当たり1万~2万ドル(約130万~約260万円)で、国境警備隊を仲介する人物に支払う慣行が横行しているという。「払えなくはないが、あまりにばかばかしい」
もう一つは、ロシアの支配地域に入り、ロシア経由でジョージアなどへ抜けること。だが、「2回も従軍した私を、ロシア軍が通すとは思えない」。
「自由のウクライナ」のために戦ったはずが、戦時下の人権制限に翻弄(ほんろう)された。「もうウクライナに戻ることはない。国籍はいずれ手放すと思う」
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以上の記事の紹介を受けての私のコメント。
この記事で、一般国民の中に、今のゼレンスキー政権の「国を挙げての武力抗戦路線、そのために男子の出国禁止」に異論があることが支援された。この意義は大きい。
日本社会(政治家、メディア、多くの国民)は完全に「ゼリンスキー応援、武力抵抗こそ唯一の正しい道、妥協してでも停戦などありえない、軍事力でしか解決しないというスタンスで凝り固まっていたからだ。日本の平和主義者、反戦主義、左翼の中にも、ウクライナの抗戦は正義だとして、ゼリンスキー政権の方針を支持する人がいたからだ。
それにたいして、今回、男性の出国を認めるよう求める請願書がでて2万7千人以上の署名が集まった、それに対してゼレンスキーが「地元を守るために命を落とした息子を持つ親たちに、この請願書を示せるのか」と批判した、SNSに、国外で働いていたのに戻れない等から出国の自由があるべきという意見を書いたら「兵士として戦え」「恥を知れ」と非難が来ているということが紹介されたのである。
つまり、ロシア軍の脅威を前に、ウクライナ国民は一致団結して戦うべきだ、志願兵の組織「領土防衛軍」に参加すべきだ、そうしないのは非国民だ、裏切り者だ、団結を乱すものだというレッテルを張られ非難を受ける状態ということだ。
それは戦争を続ける道であり、敵を殺し味方が殺されることが続く道であり、町が破壊され死者が増える道である。それが唯一正しい道とは言えないのに、ゼリンスキー政権は押し付け、そうでない道を選ぶ自由を認めない。それは全体主義的であるが、戦時というのはそうなりがちだ。
だからこそ、戦争はよくないし、国を挙げての戦時体制になってはならないと思う。「国というものを熱狂的に愛する道」以外の生き方を認めること、逃げる自由を保障すべきである。
ナショナリズム、同調圧力、異論を認めない排外主義の問題、裏切り者というレッテルの危険性の問題である。
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- ゼリンスキー大統領のかたくなさ
以下の情報にあるように、ゼレンスキーはますます、意地になっているのか、もともと強いナショナリズム思想の持ち主なのかはわからないが、平和を目指すよりも「領土を取り返す勝利」しか目に入らないような感じになっている。「全ての占領地域の解放を達成しなければならない」「各国は武器をもっと提供しろ」「ロシアと妥協などありえない」と言い続けている。
「領土をやすやすと譲るには、既にあまりに多くの人々が犠牲となっている」というが、さらなる犠牲を増やす道を行っているし、そもそも早い段階で「外交的努力、ロシアと妥協してでも停戦にいたる道」、「国をあげて皆で逃げる道」を選んでいたならば、ここまで犠牲は増えなかった。
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情報:
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ロシア軍の侵攻に対して「私たちは全ての占領地域の解放を達成しなければならない」と改めて強調し、欧米に対して更なる武器支援や対露制裁の継続を求めた。英紙フィナンシャル・タイムズのオンラインイベントに出演して語った。徹底抗戦を支持する国内世論を背景に、ロシアに融和的な姿勢を見せるフランスなどをけん制する発言とみられる。 ゼレンスキー氏は「領土をやすやすと譲るには、既にあまりに多くの人々が犠牲となっている」と述べ、戦場での足踏み状態は「選択肢ではない」と強調した。ウクライナ側によると、露軍は領土の20%を占領しているとされる。
侵攻が長期化する中、ウクライナを支援する欧米諸国の間では温度差が表れている。軍事支援を強化する米英両国に対し、フランスなどは慎重姿勢も見せる。独仏首脳はプーチン露大統領との電話協議を断続的に続け、停戦仲介の可能性を模索している模様だ。 こうした中、マクロン仏大統領は地元紙の最近のインタビューで「停戦時に外交を通じて出口を構築できるよう、ロシアに屈辱を与えるべきではない」とプーチン政権への一定の配慮をにおわせる発言をした。 これに関し、ゼレンスキー氏はオンラインイベントで「私たちは誰にも屈辱を与えない。同じやり方で応じるだけだ」と語り、「ウクライナを除外した話し合いも合意もあり得ない」とくぎを刺した。
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ロシアのウクライナ侵攻戦争についての覚書(6月7日)
「私は祖国を熱狂的に愛することはできない。なぜならそれはナチスのような国をつくることになるからだ」――ロシアのウクライナ侵攻戦争についての覚書(6月7日)
- 私は軍隊が嫌い。
私はこれまで多くの映画や著作やドキュメント番組などを見て、歴史も学び、軍隊というものを知っている。軍隊自体が嫌いである。
軍隊のドキュメントなどを見て、それが殺し合いの訓練であることを知った。銃やナイフだけでなく、取っ組み合いでもなんでも相手を殺せるかどうか。そのために体力をつけ、武闘の力をつけ、武器を使う訓練をする。さらに軍事的な思想を植え付けられ、上官の命令には従えと言われ、敵か味方かの単純思想を身に着け、そもそも民主主義的でない。軍事法廷自体が、普通の法廷より歪んでいる。
軍隊内でのいじめ、不要なしごきがあることは幾百もの作品で示されてきた。
最近では、韓国ドラマ「DP」(注)がある。見ていない人は必見。
軍隊というものには、かならずこういうことが起こりうる。
水木しげるの戦争漫画での体験談でも二等兵はビンタをうけまくり、不条理ないじめを受ける。
私のような「インテリ」もかっこうのいじめ対象になるだろう。日本軍でも、日常生活の上下関係が変わる軍隊では、軍隊外での鬱憤を軍隊内の下位のもの、二等兵などに向ける。
民主的な軍隊には抗命権があるとされているが、そうした軍隊は少ない。
私は、もし軍隊にいったら最初にいじめられ殺されるであろう。納得できないことには不満を持つし、口答えするからである。命令は絶対とかとおもえず、命令が合理的かどうかを問題にするからである。
映画「プラトーン」でもあったように、うっとうしがられたら後(仲間)から殺されるかもしれない。危ない最前線や偵察に送られ、敵や味方に殺されるであろう。イジメやリンチで殺されるであろう。
そういう軍隊が、敵を倒すということで、殺人の武器を持って、個人的になんの憎しみもない、相手の国の人と闘う。相手国の兵士も、徴兵義務や経済的理由で来ざるを得なかったものであり、だまされ、ナショナリズムを植え付けられ、戦争に駆り出された無知な兵士である。そんな、憎くもない相手に、命を懸けてなんで戦う必要があるのか。
そして戦場ではだれもがおかしくなり、略奪もレイプもある。個人では止められない。
私には軍隊も戦争もあり得ない。
(注)韓国ドラマ「D.P. -脱走兵追跡官-」は、脱走兵を捕まえる軍離脱逮捕組織(D.P.)の青年が様々なエピソードを持つ彼らを追いながら全く分からなかった現実にぶつかる様子を描いた作品。大人気ウェブトゥーン「D.P犬の日」が原作。全6話。
今、シーズン2が作成中。
- 8割がどう言おうと自分で考えて行動すべき
朝日新聞2022年6月4日記事「ウクライナ侵攻)抗戦か、停戦か、揺れる市民」で、東部ドネツク州から国内避難して西部リビウに移り住んだイエホル・キリチェクさん(20)が「ロシアに奪われた領土はもちろん、できる限り取り返すべきです。でも、人命がこれ以上失われるのは耐えられません」「ドネツク人民共和国」と呼称する地域に父方の祖父母や親戚が暮らしており、簡単に行き来できなくなった」「そんな毎日が続くのはおかしい。とにかく暴力を止めるべきです」と話している声が紹介された。ロシアが撤退するまで戦うか、停戦か。揺れ動く気持ちを語った。
ウクライナ国内の世論調査では8割以上がロシアへの妥協を拒否しているというが、それは1-2割の人は妥協してでも停戦を望むと考えている可能性を示している。多数が正しいわけでもないし、個人の判断は自由なはずだ。その1―2割の人は、多数派によってしたくもない戦争に巻き込まれ命を危険にさらされているということではないのか。男性が国外への移動が制限されているのもおかしい。
また約8割が「ロシアへの妥協を拒否」しているというのは、素朴に「粉不条理なことをするロシアが許せない」という思いに加えて、大統領も含め、メディアが、「ロシアは許せない、国を守ろう、ウクライナの文化、人民を団結して守ろう」「命がけで闘っているウクライナ軍の戦士に感謝」と宣伝するから、当然、感情的にゆすぶられ、愛国心がたかまり、ロシアと戦うという士気が高まっているのだろう。
メディアで、町が破壊され、市民が殺され、兵士が殺される映像が流れる。団結して悪い奴らと戦おうと呼びかけられ、仲間が殺され、郷土を追われる人びとをみて、国歌が流れ、死亡した戦士を悼む儀式がなされる。
そりゃ、多くの人は気持ちが高ぶり、戸惑いと憤りと悲しみが怒りに変わるだろう。ナショナリズムが強くなるのは明らかだ。
素朴な人々は、そうなる。
ふつうの生活を取り戻したい、死ぬのは嫌だ、という素朴な思いが今は「ロシアは酷いから力で対抗するしかない」と言われて、とにかく「ウクライナ軍が勝って以前の平和な情生活に戻ってほしい」と思っているのが多くの人々なのだろう。
それが「ロシアに妥協しない」という世論の正体だ。
だが、世界の歴史から学んだものは、その素朴な思いの人々が地獄への道を進んでいることをしっている。ウクライナ軍が勝って誰も死なずに、すぐに平和な生活が戻ってくるというようなことはない。
多くの兵士が死ぬ。ウクライナ側だけでなく、ロシア兵も。かれらにも家族や友人がいる。町は破壊され、多くの市民が死ぬ。家族を失う。郷土に戻れない人も多くなる。職を失う。なんのためか意味が分からないまま、時間が流れ、ようやく戦争が終わる。そこには目指した理想状態はなく、もとの生活もなく、ただただ死と破壊、犯罪、壊された生活があるだけ。長引いた戦争によって、そうならなくていい多くの人が、死んだり大けがを負ったり愛する人を失ったりすることになる。
だから、ウクライナ軍が闘って勝って平和を取り戻すというようなことにすがらないで、早めに逃げるのが庶民の生き延びる知恵だ。戦争自体・武力対応自体に反対(非協力、不服従)し、妥協してでも交渉して停戦しろと訴え、その後で政治的にも反撃すべきである。
歴史から学んだわたしたちは、国と国、国民と国民が憎しみあって戦うことの愚かさを知っている。ロシアにも北朝鮮にも、中国にも、シリアにも、イスラエルにも、心優しき、平和を望む庶民がいる。たたかう必要などない。相手国を憎んで戦うことにつながるような「自国を愛する気持ち」など必要ない。必要なのは、皆を愛する気持ち(愛地球心)だ。
その人々が連帯して、自分たちの国の政治家の戦争に反対することである。まずは逃げることである。逃げたうえでの非暴力主義での抵抗にこそ希望がある。
生き延びて、何とか「幸せに」生きることこそが悪魔(犯罪者たち、武力信奉者)への復讐である。領土を取り戻すまで戦うなど、愚の骨頂である。領土より、命である
。国というような「幻想」「イデオロギー」にとらわれる悪夢から脱出する知性と視野をもつことこそ、平和への道である。国というものに情動的に支配され、ナショナリズム思想に洗脳される状態から脱出する人々が増えてほしい。家族やコミュニティを愛する気持ちを相手国にまで拡張する知性が我々の対案である。
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- レイプがある、だからこそ早く逃げる必要、早く戦争を止める必要
国連で紛争下の性的暴力担当事務総長特別代表を務めるプラミラ・パッテン氏が6月6日、ロシアが侵攻したウクライナで、性的暴力が疑われる事例が124件報告されたと明らかにした。報告されていない犯罪も殺人も膨大にあるだろう。
レイプは許されない犯罪行為である。戦争を止めないとこうなる。ウクライナも、「学校や病院が攻撃された」「民間児が殺された」「子供が殺され、女性がレイプされた」といった非難だけでなく、戦争を止める努力をすべきである。「もっと武器を我々に提供しろ、ロシアを追い詰めろ」というだけの政府でいいのかと思う。
一市民、国民は、政治家に任せず、「戦おう」という政治家の言うことなど聞かず、逃げるべきである。
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- ロシアの兵士も悲惨
ウクライナ東部で、ロシアの戦況が苦しくなる中、ロシア軍の内部で銃撃戦起りそうな状況。 前線に行けと強要する隊長が銃を撃ち、それに対抗などがあった模様。
ロシアの兵士がたくさん死んでいる。大義もなくたたかわされている。
誰のためにもならない戦争。
私は主流秩序に加担する責任というものがあると思っているので、ロシア兵をたんなる犠牲者だと擁護する気持ちはない。私は加担者には末端でも、責任を問うべきと思っている。何処の国でも、内部から、どう生きるかを問うべきである。戦争に加担するのかどうか、各人がその問いの前に立たされている。
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- 今の状況、アメリカにとってはとてもいい状態。
自分(米国)は戦争せず、ロシアを弱体化、プラス 軍需産業大儲け、で、アメリカには都合がいい状態。 軍需産業に支えられている産軍複合体の政治家や研究者など皆が利益。
ただしバイデン大統領は、世界戦争は望んでいないし、落としどころを探してはいる。
落としどころを提起したキシンジャーの提言。それも一つの道なのに、ウクライナ(ゼリンスキー大統領)はまったく受け付けない。きつく非難するだけ。
同じことは フランス大統領の言葉(注)に対して示されている。
酷いことをされてきた中で命がけで、ある種崇高な精神で必死に抵抗しているという面はあるだろうが、それは一面であって、もう一面は、やはりマッチョ思想ゆえの面があると思われる。ウクライナの政権は、心底、一人でも命や被害者を助けようとするのではなく、停戦を何としても勝ち取ろうとしているのでなく、ナショナリスト的な勝利を目指していて、そのためには国民の命、けがやレイプ被害、略奪などの犠牲、があってもしかたない、「それは向こうが悪いのだ」、と思って思考停止しているように思う。
人命よりも「政治目標、プライド、イデオロギー」重視の状態になっている。ロシアだけでなく、ウクライナ政府・軍も、マッチョ思考、戦争大好き主義者、ナショナリスト、「軍事解決」至上主義になっている。
(注:フランスのマクロン大統領は6月4日掲載の新聞インビューで「ロシアに屈辱を与えない」ことが大事だと呼びかけた、それに対して、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は同日、「ロシアに屈辱を与えるなと言うのは、そう呼びかけるフランスをはじめ全ての国に屈辱を与えるだけだ」と反発した。ウクライナ政府は、和平実現のための領土割譲はあり得ないという立場を強調している。
マクロン大統領は「戦いが止まった日には外交を通じて出口が築けるよう、私たちはロシアに屈辱を与えてはならない」、「仲介者になるのがフランスの役割だと確信している」プーチン大統領が自らの「根本的な間違い」から抜け出す道筋を残すのが、何より大事だ、ウクライナ侵攻という「歴史的で根本的な間違いを犯した」せいで、今ではロシアが「孤立」してしまっているとプーチンに伝えた、などと言っている。5月初めにも、ロシアとウクライナの停戦を呼びかけ、西側諸国は「(ロシアに)屈辱を与えたいという誘惑や、報復したいという気持ちに屈してはならない」と強調していた。 【注おわり】
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- ゼリンスキー大統領のスタンス
ゼリンスキーは、危機の中で強いリーダーシップをとれるというプラス面を持っていると思うが、マイナス面として、非暴力主義などへの思想的深みがなく、フェミニズム的な感覚もないとことがあるようにおもう。
彼は、イスラエルのガザ侵攻を支持しているという。ウクライナの大使館をエルサレムに移転することを決定した。ゼリンスキーは、国連のパレスチナ人の人権に関する委員会から引き揚げているという。つまりアラブへの攻撃をしてきて不当に領土を占領してきたイスラエルについては甘い評価をしているのではないか。ウクライナの領土を奪うロシアを非難しながら、イスラエルには甘い。こうした矛盾は米国でもどこにでもある。
西側諸国の多くはイスラエルの攻撃、アラブ側の抵抗への軍事力による過剰な反撃、領土の拡張などを非難してこなかった。
ウクライナの国家主義グループや右翼や極右の中には、ウクライナの中のLGBTQ攻撃、ロマ人への攻撃など、があり、対ロシアで戦う仲間として、そうした人権侵害をすr極右的な勢力に甘い人がいて、今のウクライナの主流がある。ウクライナ政府の禁書命令、戦時中のナチ協力者を国家英雄としている点などの問題もあったようだ。
意見が分かれる問題は多くあるが、ゼリンスキーを正義の側として美化だけしているのは間違いであろう。私は国内の少数派、反体制派を尊重する民主主義が好ましいと考えている。その点で、中国もウクライナも、ロシアと通じるところがあるのではないか。
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これまで指摘した高橋氏など2人に加えて、防衛省防衛研究所 主任研究官 山添博史という人物も出ている。3人目だ。各局、各メディアに出ている。
メディアが防衛省防衛研究所の人物を出しつづけるのはおかしい。 一面的すぎる。
異なる立場の人を出すべきではないか。なぜそうした意見が組織内部から出ないのか。
ロシアや中国と同じで独裁国家的に情報を一元化し、国民を洗脳、国民の誘導をしている。
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- この言葉を忘れないーー 「祖国を熱狂的に愛することはできない」
「私は祖国を熱狂的に愛することはできない。なぜならそれはナチスのような国をつくることになるからだ」(チャップリン)
「いまこそ闘おう! 世界の解放のために。国と国との壁を取り除き、貪欲、憎悪、不寛容を追放するために、理性ある世界のために闘おう!」
『独裁者』(チャップリン)より
「熱狂的に国を愛せない」のは健全だ。オルテガ「大衆の反逆」は教えてくれる。
。熱狂を疑うこと。複雑に人間をとらえること。私は、「私の環境」の産物であって、自分の努力で作った『自分』だけではない。「多数者の専制」(高度大衆社会)のやばさ。・・・・・これらはブルデューやル・ボン『群衆心理』につながる思想。懐疑の精神を常にもって、異論に耳を傾けろ、理性ある少数者であれ、主流秩序に従属するなという思想である。
個人は集まると簡単に群衆になる。群衆は騙されやすい。だから群れないこと、熱狂しないこと、単純化しないこと。 断言するやつ、反復するやつを疑うこと。そもそも指導者やメディアを疑うこと。
皆が言っているとか、メディアとか、熱狂に騙されず、主流秩序を見抜き、自分の頭で冷静に考える個人になるということだろう。
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- 美空ひばりの「1本の鉛筆」を聞いた。
これを歌い続けるような前後の日本の、戦争を反省し、平和を希求する営みを、いま、多くの人は忘れてきている状態。
- 茨木のり子の詩
「 生前 この頭を かけがえなく いとおしいものとして 搔抱いた女が きっと居たに違いない」という茨木のり子
その想像力を世界中に、相手国、敵国にも広げられる人が増えますように。
「木の実 」 茨木のり子
髙い梢に
青い大きな果実が ひとつ
現地の若者は するする登り
手を伸ばそうとして転がり落ちた
木の実と見えたのは 苔むした一個の髑髏(ドクロ)である
ミンダナオ島 26年の歳月
ジャングルのちっぽけな木の枝は
戦死した日本兵のどくろを
はずみで ちょいと引掛けて
それが眼蒿であったか
鼻孔であったかはしらず
若く逞しい1本の木に
ぐんぐん成長していったのだ
生前 この頭を かけがえもなく いとおしいものとして
搔抱いた女が
きっと居たに違いない
小さな顳顬(コメカミ)のひよめきを
じっと視ていたのはどんな母
この髪に指からませて
やさしく引き寄せたのは
どんな女(ヒト)
もし それが
わたしだったら・・・・
絶句し そのまま1年の歳月は流れた
ふたたび草稿を取り出して
嵌めるべき終行 見出せず
さらに幾年かが 逝く
もし それが わたしだったら
に続く1行を
遂に立たせられないまま
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参考
ロシア・ウクライナ戦争について書いたこれまでのブログ記事
2022-03-04 命を守るために逃げろ! ロシア・プーチンによるウクライナへの戦争について
2:
2022-03-11 ウクライナのナショナリストに騙されるな 踊らされるな 命を捨てさせられるな
3:
2022-03-13 いつからあなたは軍の司令部になったのか
4:
2022-03-23 ロシア侵攻に関するスタンスで、いくつかのまともな意見を知った
5:
2022-03-23 1中は2中が怖いからナイフで自衛?--防衛、憲法をめぐる議論について
6:
2022-03-24 ロシアのウクライナ侵攻に関する日本の報道 小倉の意見
7:
8:
9:
10:
11:
2022-04-06 ウクライナの非武装主義者ユーリ・シェリアジェンコ氏からの情報
12:
13:
2022-04-11「憲法9条で日本が守れるのか?」への返答の一つ
14;
15;
16;
2022-05-18 白川真澄「ウクライナ戦争にどう向合うべきか」への私の3つの異論点
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小倉利丸さんの 「『戦争放棄』を構築するために」
小倉利丸さんがまとめた意見を読み、私はおおむね同じ考えと思いました。私がHPやブログで言っていたことと重なる点が多くあります。
この考えのような人が増えればいいのですが‥。
「戦争放棄」を再構築するために(小倉利丸)
> http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=244
ドラマ『アンビリーバブル たった1の真実』
アメリカのネット配信ドラマ『アンビリーバブル たった1つの真実』(原題: Unbelievable)が非常に良かった。(ネットフリックスで見れる。)
『私の解放日誌』や『グッドファイト(第3・第4シーズン)』に匹敵する最も良質的な作品だ。
『アンビリーバブル たった1つの真実』は、2019年に配信された米国のドラマで、実話を基にしたレイプ事件を描き、性暴力被害者に対して、警察を筆頭にいかに世間が無理解かということを暴いた作品である。2008年に米ワシントン州リンウッドで発生したレイプ事件とその後の顛末を綴った記事「An Unbelievable Story of Rape」がベースになっている。
警察官だけでなく、弁護士、ケースワーカー、カウンセラー、養父母、養子相談員、学校、職場の上司や同僚、近くの友人たちが、いかに簡単に、無理解、避難者、差別者、いじめ加担者になるかが描かれる。
このドラマが示すように、被害者への鈍感な、二次加害的なかかわりは徹底して反省されるべきである。世間の無意識の思い込みに批判的になり、ジェンダー構造を学び、被害者の複雑な心理を理解し、被害者に寄り添い、被害者は多様であることを理解し、慎重にアプローチすべきという、このスタンスを被害者支援としては忘れてはならないことは言うまでもない。
だが、今の社会で、こうしたドラマを見て、警察などその登場人物たちを最低だと憤っているだけでは、それこそだめだろう。というのは、そうした「被害者の心理の無理解」「弱者への自己責任論的な冷たさ」はまさに日本社会でも主流なのであるから。
このドラマに出てくる人々は、米国のそれなりに進んだ制度を体現している。養父母もそれなりにやっている。カウンセラーも、弁護士も、裁判官も、警察も、決められたルールや手順にそって、それなりにやっている。今の日本よりもかなり、制度的なものは整っている。
言葉かけもそれなりに、愛しているとか、責めているわけじゃないとか、うそと言っているわけではないとか、自己決定を尊重したりしている。配慮すべき言葉としての言い方を、皆がある程度マスターしている。そもそも、米国では日本に先んじて、被害者が何度もつらいことを証言しなくて済むような工夫がなされている【それが十分機能しているかというと、ケースによるだろうが】。
だが、それでも、決定的に足りない。それは一人一人の質の問題だ。
だから、まして日本で、このドラマの登場人物を上から目線で批判できようか。日本でも一部改善はあるが、被害者の人権はまだまだ尊重されていない。配慮などなされず、ずかずかと鈍感に警察が取り調べしたりしている。だから性暴力被害者の多くは警察に被害を訴えていない。役所でも水際作戦的な排除が存在している。ぎゃくたいやDV→いじめにたいしての、学校や児相や行政の対応の不十分さは目に余ることが少なくない。
間違った情報をうのみにし、誰かひとりを標的にして叩く。それは教室でも職場でも地域でも存在し、そしてネット空間で、日々大きくなっている。
他人ごとではないのだ。
だがこのドラマには希望がある。二人の女性刑事、グレースとカレンがあきらめずに捜査を頑張り続けるのだ。そしてその周りの同僚も。
とくにグレースとカレンは年齢的地位的にはいわゆる「中年的な女性」あたりだが、日本での「女性の盛りを過ぎた、容姿も衰えた、権力がなく、無力的な存在」のようすではない。そういうジェンダー秩序を内面化して自らつまらなくなっている感じではないのだ。
もう年だし、かわいくないし、おばさんだし、戸板自虐的で無力的な感じではないのだ。
若い人から見てどうかというと、二人は“強い”。
自分のキャリアの中で得てきたものを身にまとい、媚びず、なよなよしていない。思ったことを言う。怒ったら怒りを表現する。いっぱい批判されてきたが、批判されてもめげない。相手の批判も、クールに受け止める。相手に気に入られようとしてソワソワしたりするようなこともない。人目とか気にして、好かれようとかしない。ただ、一生懸命仕事をする。酷い奴を逮捕するという目標に向かってがむしゃらに仕事をする。それだけ。
だがそこに、その人の人間性が出ている。何を大事にしているか、何にとらわれていないか。
私の言葉でいうと、主流秩序・ジェンダー秩序にとらわれていない。
そして過去の失敗や悔いをちゃんと身体に組み込んで生きている。
そういう二人だからこそ、二人の関係も、言うことは言う、べとべとしない、しかし、その活動の積み重ねを通じて、性暴力加害者への怒り、被害者への思いを感じ、尊敬と友情をかんじていくというようになっている。そのクールさが素敵だ。
そしてその努力が報われた時、仲間も、その仕事ぶりをほめる。
こんな仕事をしているから家庭にもしわ寄せがいく。だが、そこに歯まあまあ理解あるパートナーがいる。底もべたべたはしてないが、理解がある、応援がある。そして逮捕してほっとしたとき、体を休められる肩がある。
この社会はなかなか全体としてはよくならない。ロシアのウクライナ侵攻があるし、中国も人権弾圧するし、日本もひどいことはいっぱいある。だが、世界のあちこちで、ちゃんと仕事をして誰かを助けている人がいる。
それだけが希望だ。
そしてそれで充分だ。
そのことをうまく描いた作品だった。作ることに意志を感じられる作品だった。
(2022年5月)
「岸田首相によるドイツの「平和の(少女像)」撤去要請に関する公開質問状」
日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークの「岸田首相によるドイツの「平和の碑(少女像)」撤去要請に関する公開質問状」が、田中利幸さんのブログに掲載されました。
私はまともな意見と思いますが、日本ではこのようにみる人は非常に少なく、簡単にフェイク情報にだまされ(洗脳され)ています。ロシアでプーチンを支持している人を笑えない状況です。
http://yjtanaka.blogspot.com/2022/05/blog-post_25.html
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2022年5月25日水曜日
岸田首相によるドイツの「平和の碑(少女像)」撤去要請に関する公開質問状
総理大臣 岸田文雄さま
去る4月28日、あなたが、訪日したドイツのオラフ・ショルツ首相に「慰安婦像が引き続き設置されているのは残念だ。日本政府の立場とは全く違う」と述べて、撤去のための協力を要請した事実を、松野官房長官が5月11日の記者会見で認めました。この件に関して、私たちは公開質問をさせていただきます。
ベルリンのミッテ区に設置された「平和の碑(少女像)」 |
質問に入る前に、あなたが外務大臣として安倍政権時代に深く関わられたいわゆる「2015日韓合意」問題について、もう一度ここで思い起こしておきたいと思います。なぜなら、「平和の碑(少女像)」撤去要請問題は、「日韓合意」問題とも深く関わっているからです。
悪意に満ちた政治的意図での「河野談話」否定
以前から歴史問題で日本の戦争責任否定の言動を強めていた安倍晋三首相は、2014年初頭からは、「河野談話」検証要求の強い声を安倍支持派の自民党議員から出させ、同年6月20日には検討委員会による結果報告『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとり経緯:河野談話作成からアジア女性基金まで』を発表しました。しかし、検討委員会は、談話作成のために使われた肝心の資料そのものに関する調査・検討は一切行わず、「河野談話」は、韓国側からの一方的な強い要求を最終的には受け入れざるをえなくなり、日本側が不本意ながら「強制」を認める形で作成されたという印象を強くあたえようという、悪意に満ちた政治的意図でこの報告書を作成しました。
ご承知のように、「河野談話」は、日本政府(宮澤喜一内閣)が行った調査の結果を1993年8月4日に公表し、日本軍が「慰安所」設置に直接関与していたことをはっきりと認めると同時に、当時の河野洋平内閣官房長官が「談話」として日本政府の責任を認めたものです。この調査では、1948年にオランダが行った戦犯裁判である「バタビア裁判」記録や戦時中に米軍が作成した関連報告書など、合計260点以上の資料を参考にすると同時に、実際に16名の被害女性と「軍慰安所」関係者約15名からの聞き取り調査が行われました。すでに述べましたように、上記の「河野談話」検討委員会は、これらの調査資料の信憑性については一切言及していません。それもそのはず、なぜなら、これらの資料には疑わしいものが全くないからです。(ちなみに、その後も、「慰安婦」が日本軍性奴隷であったことを証拠づける数多くの資料 – その中には東京裁判検察局に提出されたものもあります – が発見されています。)
こうした一連の安倍内閣による「慰安婦バッシング」に深く憂慮した国連の拷問禁止委員会や自由権規約委員会などが、日本政府に対して、元「慰安婦」に対する人権侵害的言動を改め、国家責任を認め、彼女たちに公的謝罪を表明し且つ十分な賠償を与えること、さらには「この問題に関して学生ならびに一般市民を教育し、その教育には教科書による適切な参考書を含むこと」などの勧告を、再三にわたって発してきました。しかし安倍内閣は、破廉恥にもこうした勧告を一切無視しました。
結局、歴史事実を否定しようとするこうしたさまざまな陰険な画策によってもなんら功をおさめることができなかった安倍内閣は、「河野談話をこれからも継承していく」と表面では言いながら、実際には、「河野談話」があたかも歴史事実に基づいていない虚偽の報告書であるかのような発言や欺瞞的な画策を引き続き行い、韓国政府をはじめ関係各国政府の政治的信頼を失う結果をもたらしてきたのです。
何ら解決に繋がらなかった「日韓合意」による「不可逆的解決」
安倍内閣の「慰安婦」問題へのこうした欺瞞的な対処の仕方に国内外から批判がやまなかったため、安倍首相は、2015年12月末に、「日韓合意」という形でこの問題に決着をつけようと考えました。
2015年末、日韓外相会議を開き、あなたは外務大臣として、「慰安婦問題」での「最終的かつ不可逆的に解決」で日韓両政府が合意したと発表されました。しかし、この「合意」の内実は、日本軍性奴隷の被害者の思いは完全に無視する一方で、日本の法的責任は認めず、「賠償」ではないと主張する10億円という金を出すことで、今後はこの問題を再び日韓間で問題にはしない約束をとるという、甚だしい被害者人権侵害以外の何物でもないものでした。しかも、本来なら加害国である日本が賠償責任をとるべきであるにもかかわらず、財団を韓国政府に設立・運営させることで、責任を被害国におしつけるという破廉恥な要求でした。さらには、ソウル日本大使館前に置かれている「平和の碑(少女像)」も移転させるという日本側の要求も、その「合意」の内容に含まれていました。
「責任を痛感している」はずの安倍政権が、本来の被害者である高齢のハルモニたちに対しては直接に「謝罪」表明は全くしないどころか、結局は「10億円出すから今後はこの問題については黙れ」、「その歴史的象徴である『平和の碑』も人目につかないところに移転させろ」と言ったわけです。つまり、「最終的かつ不可逆的に解決」とは、結局、10億円という金で日本軍性奴隷の存在という歴史事実に関する記憶を買い取り、その記憶を抹消することを目的とするものだったのです。さらには、「責任を痛感している」と言いながら、2016年2月に開かれた国連女性差別撤廃委員会の対日審査では、日本政府代表の杉山晋輔外務審議官が、「慰安婦強制」を証明する資料は見当たらないし、朝日新聞の誤報のせいで全く間違った情報が行き渡ってしまったと、相変わらず、世界中から失笑を買うような虚妄発言を続けました。日本にとって絶望的なのは、安倍首相自身をはじめ、外務大臣であったあなたを含む安倍政権閣僚たちや安倍支持者たちが、自分たちがやっていることが、どれほど失笑を買う低劣な行為と海外から見られているのかを全く認識していなかったことです。
さらに問題なのは、日本軍性奴隷制の被害者は韓国人だけではなく、アジア太平洋全域にわたっているにもかかわらず、「日韓合意」では韓国以外の被害者の存在は完全に無視されてしまったことです。安倍首相や外務大臣であったあなたが本当に「責任を痛感している」ならば、韓国以外の被害者に対する「謝罪」についても具体的にどのような形で「謝罪」するのか説明をするのが当然なわけです。ところが、この「日韓合意」発表があった数日後には、台湾政府が、台湾の元日本軍性奴隷に対して日本政府が謝罪と賠償を行うことを要求する方針を発表しましたが、菅義偉官房長官は、日本政府はこの台湾の要求には応じないと答えました。「責任を痛感している」というのは、いつもの安倍流の真っ赤な嘘であることがこれで判明したわけです。
日本軍性奴隷制問題は「人権問題」であって、「政治決着」など不可能
日本軍性奴隷問題は「政治決着」できるような性質のものではなく、由々しい「人権問題」であり、いかにすれば被害者の「人権回復」につながるのかという視点からのアプローチが必要であるという根本的認識が、安倍元首相やあなたをはじめ自民党のほとんどの政治家には最初から欠落しています。
結論的に言えることは、日本の法的責任も認めない、10億円での被害者記憶抹消を狙った「最終的かつ不可逆的に解決」とは、実にあさましい、人間として恥ずべき、低劣な政治行為です。したがって、こんな欺瞞的な「日韓合意」が、結局は失敗に終わってしまったことも、全く不思議ではありません。それどころか、被害者に対するこのような不誠実な対応は、さらに韓国民衆の怒りを掻き立て、「強制労働(いわゆる「徴用工」)」問題での安倍政権批判を一挙に高めてしまいました。
確かに、こんな酷い「政治決着」提案を、主として米韓日の軍事同盟の利害に基づき、基本的には被害者を無視してそのまま受け入れてしまった当時の韓国の朴槿恵政権にも責任の一端はあります。
しかし、被害者の人権を全く無視して、自国に都合のいいような欺瞞的な「政治決着」をはかろうとした加害国である日本の政府に最も重い責任があることはいうまでもないことです。にもかかわらず、失敗を一方的に韓国政府のせいにし、今度は韓国への輸出禁止という愚策でさらに日韓関係を悪化させるという、本当に情けない状況を安倍政権は繰り返しました。
こうして「日韓合意」前後の状況をふりかえってみますと、その安倍政権で長く外務大臣を務め、この問題に直接関わってきたあなたが、自国の責任の重大さを認識することもなく、多くの戦争被害者の痛みを無視するような政治決着ばかりに頭を使ってこられたあなたの責任も、きわめて重いと言わざるをえません。
「平和の碑(少女像)」が象徴する「性暴力拒否」という人道思想
日本軍性奴隷という由々しい「人道に対する罪」の被害者にはアジア太平洋のさまざまな地域の女性たちが含まれていますが、最も多くが韓国・朝鮮人であったことから、「平和の碑(少女像)」の多くが朝鮮民族衣装を身につけた姿となっています。
しかし、中には朝鮮民族衣装ではない像もあります。この「少女像」は、今や、韓国だけではなく、台湾やフィリッピン、米国、カナダ、オーストラリア、ドイツなどの国々の諸都市にも設置されて「Statue of Peace(平和の碑)」と呼ばれており、「慰安婦像」とは呼ばれていません。この像は、もちろん日本軍性奴隷被害者を悼み、日本政府が明確にその責任を認めることを求めていますが、それだけではありません。サンフランシスコに設置された「平和の碑」には「この記念碑は、これらの女性たちの記憶のために捧げられており、世界中での性暴力や性的人身売買を根絶するために建てられたものです」という文字が刻まれているように、あらゆる性暴力を防止・根絶したいという多くの人々の願いが込められているのです。
また、あなたが、今回、ドイツのショルツ首相に撤去を要請したベルリン市内ミッテ区の「平和の碑」は、2020年9月に設置されたものですが、設置されて間もなく、あなたに説明するまでもなく、日本政府からの撤去要請がありました。その要請が、独外務省を通してミッテ区長に伝えられ、政治圧力に屈した区長が一方的に認可を取り消してしまいました。ところが、それに対する強い批判がドイツの幾つかの政党や市民から起き、認可取消撤回要求を求める議案が出されました。その結果、区議会が像の設置支持を宣言し、結局、「像の区内での恒久設置に向けて、区は設置者とともに解決策を見出し、区議会はこれに関与すべき」という決議が出され、像は今もそのまま維持されています。その認可取消撤回要求を求める議案では、「『平和の像』を、我々は、武力紛争時の、また平和時の性的暴力に関する議論を喚起するものとみる」と書かれているように、「平和の碑」には、あらゆる性暴力を拒否する力が込められているとみなすべきなのです。
したがって、「平和の碑(少女像)」は、日本軍性奴隷の被害者の痛みだけではなく、あらゆる性暴力被害者の痛みを象徴するものとして、その像を見る人々の心を強く打ちます。つまり、性暴力被害者の痛みを、自分の痛みとして内面化し共有することを、この像は人々に求めているのです。それゆえにこそ、この像は今や世界各地に広がりつつあるのです。MeToo運動が世界各地に広がっているのと同じように、この像の設置・拡散運動は、性暴力被害者の「痛みの共有」を通して、性暴力根絶を目指そうという世界各地の大勢の人々の強い願いが込められているのです。
ベルリンのミッテ区に設置された「平和の碑(少女像)」 |
首相と同時に一人の人間としてのあなたに対する質問
1)「平和の像」を撤去せよというあなたの要請は、人々のこのような普遍的で人道的な強い想いを、あなたは一国の首相として、政治的圧力で崩そうとしているのだということを、どれだけ深く認識されているのでしょうか?そのような人々の想いを、あなたは政治的圧力で崩せるとお考えなのでしょうか?
2)一国の首相であるという以前に、一人の人間として、激しい性暴力に数年にわたって苦しめられた多くの女性たちの「身体と心の痛み」に、あなたはどう応えようとされるのでしょうか?
3)また同時に、15年という長期にわたるアジア太平洋戦争中、アジア太平洋各地で軍が様々な残虐行為を犯した日本国の首相として、あなたは国の責任ということをどのように考えておられるのでしょうか?10億円という金を出せば、それで責任は抹消されると考えておられるのでしょうか?
4)ドイツの基本法1条には「人間の尊厳は不可侵」であると書かれています。この崇高な思想に基づいて、ドイツはナチスの蛮行の全ての犠牲者に対して、出来るだけの補償をしようと戦後長年にわたって努力してきました。あなたは、そのドイツの首相に対して、日本軍が犯した人権侵害の犠牲者を悼む「平和の碑」の撤去を要求されたのです。そのことに対して、あなたは一国の首相として、また一人の人間として、恥ずかしいとは思われないのでしょうか?もし思われないのなら、その根拠について説明してください。
以上の質問に、速やかにお答えいただければありがたく存じます。
2022年5月26日
共同代表 足立修一 田中利幸 土井桂子
連絡先:〒730-0036 広島市中区袋町6-36
合人社ひと・まちプラザ まちづくり市民交流プラザ気付 mb132
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